「米長方式」の収拾方法

今回の件に関する書き込みが多数行われています。中には明らかに穏当でないものもあり、これはいわゆる「荒れている」状態に当たるのかもしれませんが、普段と比べると量が多いだけで投稿の方向性はあまり変わっていないような気もします。あまり将棋の情報が書き込まれないので、私はあまりこの掲示板を見ていません。

大局を観る』の中の「デジタルの幽霊を退治する」と題する説で、米長邦雄永世棋聖掲示板が荒れたときの独自の収拾方法について書いています。一般に有名人の公式サイトの掲示板が荒れたとき、そのまま閉鎖してしまう例は多数見られますが、米長永世棋聖は閉鎖は選択肢として考えていないそうです。

インターネットの最大の特徴は「双方向性」であり、相互にコミュニケーションできるというところにあるのだから、掲示板を作らないのは逃げていることになる

管理者である私は実在する人間であり、誹謗中傷しているほうはデジタルの匿名性に隠れている幽霊にすぎません。実在者が幽霊に負けるわけにはいかない、と私は考えました。*1

そして、「幽霊退治」のためには次のような方法が有効だそうです。

そこで、こちらのほうから「お目にかかりたい」と切り出すのです。「あなたの本当の名前を言えば、今までのことは全部なしにします、そして、私がビール付きで食事をおごりましょう。どうです、会いませんか」と言う。つまりネットを切って、オフに持ち込むのです。すると、まず八割は出てきます。

その時点で勝負あり、です。

大局を観る 〜米長流・将棋と人生において、この部分は11月24日(水)に放映されます。それまでには掲示板では収拾がついていることでしょう。

この「米長方式」の当否はともかくとして、普通の人には実行は難しいですね。いきなり相手に食事をおごると持ちかけるのは、お金を持っていて名の知れている人にしかできない応対だと思います。

なお、さわやか日記10月29日付では今回報道された件については触れられていませんでしたが、31日付で軽く触れられています。米長永世棋聖にとっては一つの晴れ舞台だったので、いつもの調子からするともっといろいろ書いてくれると思っただけに意外でした。

陛下のお言葉には閣僚が相次ぎコメント。文部科学省は「強制ということではなく、喜んで自発的に掲揚したりするありさまが好ましいということをお述べになったのではないかと考えている」と述べた*2
私は都の教育委員として、残されている宿題を二つやりつつ、後任者へバトンタッチしたいと思います。

11月1日追記:

米長永世棋聖によって次のよう書き込みが行われ、相当数の投稿が削除されたようです。

HP更新 投稿者:米長邦雄  投稿日:10月31日(日)14時29分49秒

たくさんのご意見承りました。

これからHPを更新します。 更新したHPと日記を是非ご覧下さい。私の意見を書かせて頂きました。

この後は園遊会と陛下のお言葉についての意見は堅くお断りいたします。

さらに11月1日には米長永世棋聖によって次のような書き込みも行われました。

この掲示板に書き込まれる方は、将棋に対するある程度のご理解、愛情があって然るべきと思っております。 将棋は打つのではなく、指すが正しいのです。

このような流れが五月雨的になって書かれているのは困ります。お一人で1時間に35回も連続投稿というのもいかがなものか。 その辺りをお察しいただき、これからの楽しい書き込みをお願いします。

五月雨的なのはたしかに困りますね。

*1:引用者注:ここでの「デジタル」「アナログ」は一般的な用法ではなく、米長永世棋聖独自の意味合いで使われているのでご注意下さい。

*2:引用者注:http://www.tokyo-np.co.jp/00/sei/20041029/eve_____sei_____003.shtmlによれば、中山成彬文部科学相の29日の発言。