日本将棋連盟が今年4月に「組織の大改革」

1月6日付のさわやか日記に「今年4月1日付で組織の大改革をする予定」と書かれていました。どのような内容かまだわかりませんが期待しておきます。

それと関係あるかどうか不明ですが、米長邦雄ホームページ7日更新分には次のような記述があります。

近々「公平委員会」を設けて、以上に記したことについてチェック機関を起動させます。棋士は対局以外の仕事については職員やマスコミ、業界人などから嫌われない限りは、ある程度公平に廻っている筈。少なくとも分相応には仕事が依頼されていると思っています。

ただ、評判の悪い人には誰も声をかけないというのは仕方ない。それでも仕事を振り分けるようにという指示はしています。

「以上に記したこと」が具体的に何を指しているのかもよく読みとれませんが、とにかく、そういったことをチェックしてもらうようにするようです。

「公平委員会」は地方自治法第202条の2第2項に出てくる用語です*1。これは地方自治体に関するものですから社団法人である日本将棋連盟とは直接関係ない制度ですが、地方自治体も社団法人もその活動が公益に資するという点で共通しているので、同じ名称の委員会を独自に設けて類似の機能を持たせようということだろうと推測できます。

公平委員会は、別に法律の定めるところにより、職員の勤務条件に関する措置の要求及び職員に対する不利益処分を審査し、並びにこれについて必要な措置を講ずる。

より具体的な規定は地方公務員法第8条の2にあります。

公平委員会は、次に掲げる事務を処理する。

  1. 職員の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する措置の要求を審査し、判定し、及び必要な措置を執ること。
  2. 職員に対する不利益な処分についての不服申立てに対する裁決又は決定をすること。
  3. 前二号に掲げるものを除くほか、職員の苦情を処理すること。
  4. 前三号に掲げるものを除くほか、法律に基づきその権限に属せしめられた事務

こうしてみると、公平委員会の機能は主に職員の人事に関するものとなっています。ただ、米長邦雄永世棋聖の書いた内容を見ると、それだけではなく日本将棋連盟と外部の仕事に関する事柄がある、というよりもそちらの方が大きいように思えます。こちらに関しては公正取引委員会のようなものを想定しなければならないのかなという気がするのですがどうなんでしょうね。取引に関することは公平というよりも公正という方がしっくりくるように感じます。

それから、理事の職務を監視するという趣旨であれば、すでに監事という役職があるのでそれで十分ではとも思えます。「公平委員会」という組織が設けられるときには、その委員が公平な方法で選出されることが保証されないと無意味ですがどうするつもりなのでしょう。

9日追記

よみくまさんからコメントをいただきました。ありがとうございます。

コメントによると「公平委員会は『コンプライアンス委員会』という名称になると思います。」とのことです。コンプライアンスというと法令や定款などを遵守するということで、公益法人制度改革(新制度の概要)に関する意見の募集で公開されている「公益法人制度改革(新制度の概要)」にある「理事の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制」に相当するものと言えそうです。権限をどれだけ持たせるかにもよりますが、外部の人材を起用することは公正性を確保する上でプラスになると思います。ファンのためになるように運用してほしいですね。

*1:国では、国家公務員が処分を受けて人事院に不服申し立てをしたときに、審査機関として公平委員会が設けられることがありますが、これは今回の話とは性格が異なるように思われます。(参考:不利益処分についての不服申立て

年末の「将棋寄席」

年末頃からの話題がたまっているので少しずつ書いていきたいと思います。まずは2005年12月28日にあった第2回将棋寄席の話題を。12月14日付の日刊スポーツに紹介記事が大きく出ていました。

将棋のプロと芸のプロが同じ舞台で様々な芸を披露するという企画。将棋界を知る方ならおなじみの人が多いですね。客の入りは上々だったようで、今後も続いていくことになりそうです。

駒音コンサートもそうですが、私の場合はこういった種類のイベントにあまり関心がないこともあって、どういう客層なのかなという部分に関心があります。将棋ファンと落語ファンは結構重なりがあるようにも思いますが、どうなんでしょうね。

このような対局と関係のない将棋イベントは、将棋ファンにとって見れば「ファン感謝デー」みたいなものなのかなと思います。逆に、落語のファンから見ると、いつもとはちょっと趣向の違った見せ物という扱いなのでしょうか。どのあたりの客層を相手にしているつもりなのかによって、今後の進め方は変わってくることになります。演じ手にとっては異なると交流が増えるというメリットがありますから、恒例となって面白い芸を今後も見せてほしいですね。