体質

お金が動くときに、契約書や請求書があるのが当たり前のようになってきています。

私めは、そういったものが嫌いといいますか、玉稿をいただいた代価としてお金を渡すことをわざわざ書面で約束したり、まして玉稿を下さった方に請求書を出させたりするのは、なんだか失礼なんじゃないかと感じるのですね。作り出したものをいただいて、お金を払うのは当たり前なんで、そこにいちいち書類が必要というのでは殺伐とした感じがしてしまいます。

編集長の近時片片1月25日分を読んで、近代将棋の体質の一端が見えた気がしました。約束はできるだけ取り交わさない。お互いの暗黙の了解で事を処理する。近将ホッとラインでごたごたが起きたのもそういう考え方が背景にあったわけです。お金の問題ではありません。

仮に今後将棋界がファン層を拡大するとすれば、内輪の常識を共有しない人と接触する機会はますます増えるでしょう。近代将棋の場合、ネット上での掲示板による対話が初めての機会になりました。まず求められるのは、内輪の常識と世界の常識とのずれを認識することではないでしょうか。なあなあ体質では、もはや発展は望めません。