名人戦第1局、森内俊之竜王が千日手を打開して先勝

昨日から今日にかけて行われた名人戦第1局▲羽生善治名人 対△森内俊之竜王の対局は86手で後手の勝ちでした。

封じ手は▲8六歩。先手が銀冠に囲って自陣を整備する間に、後手は穴熊を完成させて5筋から仕掛けました。対して△6五歩▲同歩がどうだったのか、後手の銀が先手の金と交換になって先手玉がかなり薄くなります。その代償に先手は歩得と5五の位を得ましたが、後手は当然その位に向かって飛角金銀を集中させて一点突破を図ります。一時は金銀の交換が続いて千日手かと思われたものの、3度目の同一局面が生じる前に後手が打開策を発見しそのまま勝負が付きました。

後手の森内竜王は4四歩を突かない趣向が良い方向に働き、先手の銀冠が十分になる前にうまく仕掛けることができました。先手もやれる変化があったのではないかと思いますが、どのあたりに誤算があったのか気になります。次の羽生名人の後手番で1勝を返せないようだと、流れは大きく森内竜王に傾きます。その第2局は4月26・27日(月・火)に行われます。