森内俊之竜王が名人位を奪回し、三冠に

昨日から本日にかけて行われた名人戦第6局▲羽生善治名人 対△森内俊之竜王の対局は、95手で先手の勝ちでした。これで挑戦者の森内竜王が4勝2敗となり、2年ぶり2期目の名人位に帰り咲きました。

封じ手渡辺明五段の予想通りの▲4六歩。しかし△同歩▲同角に△同角は、島朗八段の話では良くなかったということです。そのあと控え室の予想が当たらない展開が続き、後手は馬を作り香を取りますが、その代償に先手は桂を跳ねて4筋の位を確保します。そして、▲3五歩から▲7一角の露骨な攻めが強烈でした。このあたりの踏み込みが、最近の森内竜王の強さを示しているようです。最後は羽生名人は粘るのをあきらめ、あっさりとした投了となりました。

森内竜王が名人位を奪取したことで、羽生王座ということになりました。羽生がタイトル1つだけに後退するのは13年ぶりのことだそうです。他方、森内三冠はこの1年で竜王・名人・王将と3つのタイトルを獲得し、一気に将棋界のトップに躍り出ました。八段という肩書だった3年前には想像もできなかった変化です。一森内ファンとして、感慨もひとしおです。

しかし、私は羽生時代の終焉とは思いません。羽生王座は先日朝日オープン選手権を獲得しました。それに加えて王位戦竜王戦などでも勝てば巻き返しは十分可能な位置につけています。個人的には賞金ランキングで森内三冠がトップに立つのを見てからでも「森内時代」を認めるのは遅くないと思います。