持ち時間を消費せずに勝ち

大平の本音。の開設で、4人組アーティストのZONEの大ファンであることをアピールした大平武洋四段でしたが、その熱狂ぶりを証明するような出来事が18日にありました。

すでにこの春限りの解散を発表しているZONEは最後の全国ツアーをこの3月に行います。大平四段はもちろんすべての公演に足を運ぶつもり。その初日が行われたのがこの日でした。場所は埼玉県三郷市。ところが、同じ日に大平四段は竜王戦昇級者決定戦1回戦の対局を大阪で行わなければならなかったのでした。

ライブが始まるのが午後6時半。移動時間を考えると昼食前後には関西将棋会館を発たなければならず、対局が午前10時開始で持時間が5時間もあることを考えると、ライブを見るのは不可能かと思われました。しかし、不可能を可能にするのが本物のファンです(謎)。日本将棋連盟デジタルショップ SHOGIメールマガジン 第318号から引用します。

昨日の竜王戦6組・児玉七段対大平四段戦で、大平四段が消費時間0分で勝ちました。つまり、全ての手を 1手1分未満で指して勝ってしまったわけです。相手の児玉七段がカニカニ銀の大家のため、あらかじめ戦型が予想できた、という事もあるのでしょうが、いずれにせよ、珍しい記録です。

午前11時頃に対局に勝った大平四段は飛行機で東京へ戻り、ライブに駆けつけることができたということです。棋譜を見ていないので詳しいことはわかりませんが、すごいのは確かです。これで負けていたら何を言われたかわかったものではありませんが、勝ったのですから良しとしましょう。児玉七段も1時間しか使っていないというのは、ある意味合わせたんでしょうかね。

しかし、空港で食べた鯖寿司にあたったのか、その晩は苦しかったというオチがついてしまいました。楽あれば苦ありですね。(違う)