武者野勝巳六段が裁判資料を一部公開

武者野勝巳六段が原告側の訴状の一部の要旨と、被告側の答弁書の一部を公開しました。特に「別紙比較表」の内容が気になるので、どうせなら全部公開というわけにはいかないのでしょうか。まあ別にいいですけども。

武者野六段は原告側の次のような主張(要旨)

また,上記両ソフトは,個別の画面においても別紙比較表のとおり共通性を有しており,その内容は,同一であるか,又は極めて類似している。

に対して、被告側が次のように答弁していることに着目しています。

原告が「セミナー21」の各画面のどの部分が創作的特徴であると主張するのか明確ではないが、これらの画面はいずれも創作性がないか、仮に創作的特徴があったとしてもその特徴は「みんなの将棋」にはない。

これについて、武者野六段は次のような感想を述べています。

マリオは裁判の争い方や手法については全く解りませんが、大きな疑問は初級・中級・上級程度の講座や問題であったなら「誰が書いても著作権は発生しないのだろうか」ということです。

しかし、答弁は「セミナー21」にある表現の著作物性を完全に否定しているわけではなく、その創作的特徴が「みんなの将棋」に受け継がれていないと述べているわけですから、武者野六段の感想は不必要に話を広げているように見えます。

公開が部分的なので何とも言いにくいのですが、被告側がそのように主張することは事前に予想されていたとおりで、まずは既定路線ではないでしょうか。この部分以外でも被告は原告の主張に対して争う姿勢を見せていますから、これからが本番といったところだと思います。

最後になりましたが、毎度リンクさせていただきます。

ここまで書いてきて思い出しましたが、次の部分は疑問に感じました。

被告らは,「みんなの将棋」販売に際し,著作権者である原告の同意を得ることなくプレイステーション用のゲームソフトとして公表・販売したものであり,原告が「セミナー21」に対して有する公表権を侵害している。

公表権は未公表の著作物に限って認められる権利と理解していたのですが、弁護士の人が書いたんでしょうから理由があるんでしょうね。未公表の何かが部分的に含まれていたとか何かあったのでしょうか。