新聞社の損得勘定

将棋界を多少なりともご存じの方はよくおわかりのように、新聞社は実質的に将棋界を支える存在です。新聞社は将棋の棋譜を掲載することの損得勘定をどのように考えているのか。私はずっとそのような疑問を持っています。

この棋譜の価値が、「棋譜の価値>掲載スペースの価値」の場合には、新聞社の負担は相殺されてなくなります。では、現在でも、「棋譜の価値>掲載スペースの価値」の公式は成り立つでしょうか?

ここが問題です。これは皆さん一人一人で考えてみて下さい。

感覚的な意見ですが、私は新聞社の損になっているだろうと思います。新聞を選ぶ際に将棋を基準にしている人がどの程度いるだろうかと考えると、将棋が新聞紙上からなくなっても実はあまり影響がないんじゃないかと思うわけです。(例えば主催棋戦で新聞を選んだ人、手を挙げて!*1というアンケートを見ると、答えているのはほとんど将棋ファンと思われるにもかかわらずこんな結果です。)

不況が叫ばれていた頃、スポーツ界では多くの実業団チームが廃止されました。仮に、新聞社の経営が苦しくなり支出削減を至上命題に掲げる経営者がトップに就任するような事態になると、将棋欄は廃止されてもおかしくないのではないかと感じています。「将棋は文化なので、損だとしてもお金を出してほしい」という言い方は誤りではないのですが、その主張を聞き入れてくれる経営者ばかりではないだろうなと思います。

「将棋を掲載すると得ですよ。」このように言えるようになるというのが、やはり本筋でしょう。

*1:すみません、リンクしてもつながらないようです。棋書ミニ投票@将棋 棋書ミシュラン!の過去ログの12番目です。