正味の勝利のために

yomoyomoさんの長文。必読です。「おそらく最後まで読んでくれる読者の数が十名以下なのが確実の暴走文章」と心配されていますが、どんどん引き込まれて一気に読み進めてしまいました。これだけ書かれてしまったら、あとは何を書いたらいいのかと思います。

読みどころ満載な中で次の部分。

瀬川氏は意識していないかもしれないが、今回の試験対局はその結果に関わらず、将棋のプロとアマの関係の決定的変化を象徴する契機として後に振り返られることになるだろう。それは「これからはプロもアマも協力して将棋を普及させましょう」といったぬるいお題目の話ではない。

瀬川晶司氏がどこまで予期していたのかは興味あるところです。プロ入りがかなったとしても、収入はサラリーマンをやっているよりも下がるということは、本人が覚悟しているという話をしていたとおりです。今週の週刊将棋の西條耕一氏の記事によると、瀬川氏のプロ入りは昨年末頃からトップアマおよそ10名が団結して計画されたものだったということですけれども、おそらく瀬川氏はその時点で将棋界に与える影響を考慮し、自身にとって必ずしもプラスとは限らないとしても決断する価値があると判断したのではないかと思っています。

これからの将棋界は何を目的として発展していくべきなのか。これまでは日本将棋連盟の構成員全員の利益を考えてきたわけですが、今後はそのようには行かないのだろうなと思いました。