明日、プロ編入試験第4局

明日は瀬川晶司氏のプロ編入試験第4局があります。この対局に関して精力的に特別企画を組んでいる女流棋士会公式ホームページでは、さらに日本将棋連盟理事へのインタビューとファンからのメッセージその2が掲載されました。

森下卓九段は次のように述べて、今後討議される新たなプロ入り制度について、アマチュアだけでなく女流棋士も対象となる可能性があることを明言しています。

瀬川さんに関しては特例として扱いますが、次からはきちんと制度化に向けて「プロ編入のための委員会」で討議します。委員会は10月に発足予定で、来年の棋士総会までに答申を出して総会に諮ります。制度化できるかは総会で通るか通らないかということになります。対象者がアマチュアでも女流棋士でも、どのような条件、制度のもとで受け入れられるかを検討していきます。

瀬川氏のプロ編入試験が将棋に注目を集めるのに効果的だったと判断されるなら、今度は女流棋士の誰か(といっても、現時点で対象となりそうな人は2人しかいませんが)が担ぎ出されるかもしれないと思っています。いずれにそても、今回の対局結果とは関係なく、女流棋士がプロ入りする道は開けてくるのではないかと予想します。

このような状況に関連して、上記の記事を担当している大庭美夏女流2級が女流棋士全体の抱える問題についてつれづれこらむ 10月7日付で書いています。これを読んで感じることはいくつかありますが、続きがあるようなのでそれを見てからにしたいと思います。

話は変わりますが、将棋世界11月号でも瀬川氏のプロ編入試験に関する記事がいくつか出ていました。

一つは、山岸浩史氏による第3局の観戦記。久保利明八段の「ああやって相手に時間を使わせるのがプロの将棋なんです。」ということばが印象的でした。ただ、内容が苦しくても時間攻めすればいいというような解釈をされると聞こえが悪いので、その部分はあまり強調しない方が良いかもしれません。

もう一つは、羽生善治四冠による「プロ試験の意義」と題する文章。「遅く始めた人にもチャンスがあるという方がより公平なのではないかと考えている」と述べて、瀬川氏のプロ編入試験を評価しています。

それからプロ編入試験とは直接の関係はありませんが、「プロを目指す子どもたちへ」と題して、奨励会・女流育成会・研修会について担当の各棋士が説明のコメントを寄せています。一部の発言に見られる問題意識の欠如にがっかりさせられた部分もありましたが、これについては後日何か書くかもしれません。