順位戦クラスと棋士の世代
昨日28日は北浜健介七段の30歳の誕生日でした。おめでとうございます。
という祝福が本題ではなくてですね、何を言いたいかというと、北浜七段は順位戦B級以上では最年少の棋士なんです。
つまり、昨日から2006年3月までの間、順位戦B級2組以上は30代以上の棋士で占められるという状況になったわけです。将棋順位戦データベースで見ると、これは史上初のようです。羽生世代が30代半ばにさしかかり、それに続く久保・三浦・鈴木大というあたりも30代になったことで、これらの世代の厚みがそのまま順位戦のランクに現れた形です。
今年度は渡辺明竜王と山崎隆之六段の少なくともどちらかはさすがにB級2組へ昇級するでしょうから3ヶ月限定の出来事になる可能性が高いとはいえ、一つの珍事には違いありません。
さらに細かく見ると、A級は谷川浩司九段を除いて全員30代*1、B級1組も30代中心の構成です。今期青野照市九段と島朗八段が降級するようなことがあるとその傾向に拍車がかかります*2。
これに対し、B級2組は平均年齢がぐっと上がって40代中心の構成。今期は畠山鎮六段が昇級しそうなのでまた若い方から上がっていく傾向が続きます(B2で若いといってもB1に上がれば真ん中あたりになりますが)。そんな中で内藤國雄九段、森雞二九段、桐山清澄九段という大ベテランの頑張りは特筆に値します*3。
このように見ると、単純な色分けとしては30代のA,B1、40代のB2ということになります。30代が将棋界の上位を占めているのは竜王戦−年代 クロス一覧でも同じなので実力でそうなっているのだろうと言えそうですが、B2が40代で占められているのは実力通りではない感じがします。順位戦−竜王戦 クロス一覧を見ると、順位戦でB1以上ならほとんど竜王戦でも2組以上ですが、順位戦B2になると竜王戦のクラスがばらけます。実感として、順位戦B2とC1で平均的な実力はあまり変わらないのではないでしょうか。これは言うまでもなく、B2以下では降級点制度がありいきなり降級することがなく、またクラスの人数に比べて昇級枠が小さいため比較的好成績を残してもなかなか上に行けないという順位戦制度上の特徴から来るものです。この制度が世代交代を妨げていると見るべきなのか、20代が弱いと見るべきなのか。いずれにしても象徴的な現象と言えそうです。