順位戦C級2組で有吉道夫九段と長岡裕也四段に降級点

17日に行われた順位戦C級2組第9回戦で有吉道夫九段と長岡裕也四段に1度目の降級点が付くことが決まりました。

C級2組の上位陣の成績は以下のようになっています。(昇級3名。かっこ内は前年度の順位。)

  • 1. 7勝1敗(25) 安用寺孝功五段
  • 2. 7勝1敗(29) 村山慈明四段
  • 3. 6勝2敗(05) 矢倉規広六段
  • 4. 6勝2敗(06) 阿久津主税五段
  • 5. 6勝2敗(07) 橋本崇載五段
  • 6. 6勝2敗(12) 佐藤紳哉五段
  • 7. 6勝2敗(17) 伊奈祐介五段
  • 8. 6勝2敗(20) 村田智弘四段
  • 9. 6勝2敗(23) 佐藤和俊四段

自力は矢倉六段まで。1敗棋士は順位が悪いので、この9人のうちで土が付いた棋士から順に脱落していくことになるでしょう。次戦で橋本-村田、阿久津-佐藤紳の直接対決があります。

下位の成績は以下のようになっています。(降級点9名。かっこ内は前年度の順位。「*」は今期開始時点の降級点を表す。)

  • 32. 3勝5敗(16) 松本佳介五段
  • 33. 3勝5敗(27) 所司和晴七段
  • 34. 3勝5敗(38) 武市三郎六段*
  • 35. 3勝6敗(33) 伊藤能五段*
  • 36. 2勝6敗(01) 西村一義九段
  • 37. 2勝6敗(02) 真部一男八段
  • 38. 2勝6敗(10) 島本亮四段*
  • 39. 2勝6敗(31) 小林宏六段
  • 40. 2勝6敗(34) 東和男七段
  • 41. 2勝6敗(35) 高田尚平六段*
  • 42. 2勝6敗(37) 桜井昇八段*
  • 43. 2勝6敗(39) 堀口弘治七段*
  • 44. 1勝7敗(45) 長岡裕也四段(1度目の降級点が決定)
  • 45. 0勝8敗(03) 有吉道夫九段(1度目の降級点が決定)

ベテランの有吉九段と新人の長岡四段に降級点が付きました。前期初の降級点となった武市六段は下から12番目と微妙な位置につけています。

長岡四段は第9回戦で片上大輔四段と対局しました。この対局でドラマがあったそうです。

片上ー長岡戦の最終盤、すでに二転三転していましたが、片上さんの王手に対して横か上かの二択、横なら勝ちかなと検討していると、上に逃げたという報告が、歓声と悲鳴が上がる中、Aさんが突然△84玉と叩き付けた。「対面だ!」さっきの将棋の筋で気が付いたそうだ。長岡勝ち・・・これが読み筋なら強いとみんな感心していたら、「片上勝ちです」「えっ!」「長岡さんが投了しました」検討陣は、結局勝ち筋を見つかられませんでした。両対局者もこの筋には全く気付いていなかったらしく「人としておかしい」という長岡さんの発言が熱戦を物語っているように感じました。

勝っている局面で投了というのはまれに見られますが、順位戦の勝負所でこうなってしまうのは痛かったですね。将棋をあきらめてはいけなかったという教訓が残りました。