順位戦B級2組 森雞二九段が昇級

3月10日に行われた順位戦B級2組最終戦森雞二九段がB級1組への昇級を決めました。59歳での順位戦昇級は1977年度の花村元司九段(B級1組からA級へ)に次いで史上2位の高齢記録です。B級2組からB級1組への昇級に限れば、これまでの内藤国雄九段の記録を抜いて1位となりました。

上位陣の成績は以下のようになりました。

  • 1. 10戦全勝(05) 畠山鎮六段(昇級)
  • 2. 7勝3敗(18) 森雞二九段(B級1組へ昇級)
  • 3. 6勝4敗(04) 佐藤秀司六段
  • 4. 6勝4敗(06) 南芳一九段
  • 5. 6勝4敗(08) 内藤國雄九段
  • 6. 6勝4敗(09) 杉本昌隆七段
  • 7. 6勝4敗(10) 浦野真彦七段
  • 8. 6勝4敗(12) 屋敷伸之九段

自力昇級の目があり66歳での昇級を期待されていた内藤九段は、田中寅彦九段に敗れて昇級なりませんでした。「終局後、内藤九段は『勝ち筋が出た途端にほかのことを考えてしまった』と話した」とあたりに、生々しさが感じられました。それに続いて昇級の目があったのは杉本七段。しかし、こちらも敗れて、屋敷九段との3敗対決を制した森九段まで昇級が回って来るという予想外の展開となりました。高齢記録もさることながら、3敗18位での昇級もそう簡単には更新できない記録です。

そんな昇級候補者たちの勝負弱さを後目に、畠山鎮六段は10戦全勝を達成しました。B級以上での順位戦全勝はほとんど例がなく、B級2組では史上3回目の快挙です。

下位の成績は以下のようになりました。(下位4名に降級点)

  • 19. 3勝7敗(11) 西川慶二七段*
  • 20. 3勝7敗(13) 富岡英作八段*(降級)
  • 21. 2勝8敗(03) 土佐浩司七段(1つ目の降級点)
  • 22. 2勝8敗(15) 神谷広志七段(1つ目の降級点)
  • 23. 1勝9敗(23) 脇謙二八段*(降級)

前局までで3つの降級点が決まっていましたが、残り1つは土佐浩司七段となりました。先ほど気付いたのですが、脇謙二八段は1984年度から2005年度まで連続22年間B級2組に所属するという記録を作っていたんですね。今期で途絶えることになりました。