Bonanzaが優勝 第16回世界コンピュータ将棋選手権

5月3日から5日まで行われた第16回世界コンピュータ将棋選手権で、初出場のBonanzaが優勝しました。初出場での優勝は初めてです。

Bonanzaが優秀なソフトであることはよく知られていましたが、まさか本当に優勝するとは思いませんでした。作者の保木邦仁氏は現在カナダ在住のため、会場でのマシンの準備・操作などはマグノリアの人が担当しました。

優勝決定後のエキシビションマッチで、Bonanzaはアマ竜王の加藤幸男氏と平手で対戦しました。先手のBonanzaは角換わり棒銀を仕掛けましたが、後手の加藤氏にうまく対応され、序盤から広がった差は縮まらず人間の完勝という形になりました。

前回優勝の激指は詰みのあたりで判断がおかしかったようで、勝てる将棋を2つほど?逃したのが痛く、本戦シード(4位以内)を獲得できませんでした。最後までBonanzaと優勝を争ったのはYSSとKCC将棋。この両者の対戦が千日手に終わったことで、Bonanzaが結果的にトップに立ちました。

昨年鮮烈な登場をしたBonanzaは、これで一つの結果を刻み新たな歴史を作りました。しかし、そのBonanzaも二次予選では2敗しての4位通過と決して万全の優勝ではなく、渡辺明竜王の総評にあるとおり「全体的なレベルが上がってきている」というのが本当のところなのでしょう。さらに新しいソフトが出てきて頂点に上り詰めるということも、まだあるかもしれません。

LAN通信による対戦が導入されたことで、今回からリアルタイムで対局の進行を観戦できるようになりました。私は見られなかったのですが、眺めていても面白かったようですね。対局中継のあり方も、また一歩進化しました。