名人戦契約問題についていろいろ(27)
日本将棋連盟と毎日新聞社の協議開始は、名人戦七番勝負終了後ということになりました*1。スタートラインのはるか後方から、ようやく手前まで前進したというところでしょうか。26日の棋士総会では、元々最大の議題になるはずだったプロ編入制度途中経過についての件についてしっかりと結論を出してほしいと思います。
- 名人戦についての経緯(5月24日)(日本将棋連盟)
- 名人戦問題:総会では毎日、朝日決定しない 連盟が発表(毎日新聞)
- 名人戦主催者選定、26日には実施せず(読売新聞)
- 将棋名人戦主催問題、26日の最終決定は見送りへ(産経新聞)
- 26日の決定は見送りへ 将棋名人戦の主催問題(共同通信)
- 26日の決定は見送りへ・名人戦の主催問題(NIKKEI NET 将棋王国)
- ナルゴンの英会話サロン経営日記:Everything's gonna be alright!(将棋を話題にするのはこれが最後とのことです。)
- いいニュース? 瀬川晶司のシャララ日記
- 遠山雄亮のファニースペース: まだまだ続く
- ある棋士の日常 - 七番勝負終了後からの協議開始について
それから、5月25日発売の週刊新潮6月1日号に「『尾行』『脅迫』の禁じ手まで指された『将棋名人戦』盤外乱闘」という見出しの記事が出ています。穏やかでなさそうですね。
話は変わって、少しわかりにくい話をします。私の感覚だけで書きますので、書いていることがおかしいと感じられた場合は適当に無視して下さるようお願いします。
何日か前の記事ですがナルゴンの英会話サロン経営日記:降り止まぬ雨の中で。の中で誰かから「直球だけでなく変化球も覚えた方が良い」
と言われたという話が出てきます。文章を書くことをボールを投げる行為に例えるとして、プロ棋士の中でもストレートが得意な人と変化球が得意な人がいるように感じます。例えば、渡辺明竜王は直球が得意ですね。球のきれがあり球威と制球力のある本格派というイメージです。
対照的なのが米長邦雄永世棋聖で、直球はほとんど投げません。では何かというと、ナックルボーラーだと思います。米長永世棋聖がある種の天才であることは広く認められるところですが、これは将棋以外の部分でもそういうところがあると私は思っています。つまり、変化を計算しなくても変化球を投げられる、そしてその球はきちんときわどいコースへ行く。特に何も考えなくてもそういうことをできている人なのではないかと。よく知らない人はどうしてこんな方に変化するんだと思うことがありますが、本人にしてみれば当然のことなのかなと想像したりしています。
ただし、法律が絡んだり微妙な判断を迫られたりする状況ではどうしてもストライクゾーンが小さくなります。そこで今までと同じような変化球を投げていると、今のはボール球ですよと強くアピールされて不利になることがある。しかし、もともと計算して投げていたわけではないので変化量を小さくすることも難しい。仕方なく慣れない直球を投げてみても余計にはっきりしたボール球になってしまう。そんな事態に陥ることがあるのかなと。ある意味、天才ゆえの悩みといいますか。