名人戦契約問題についていろいろ(46)

朝日新聞社毎日新聞社に共催を打診した件については、名人戦契約問題についていろいろ(45)にリンクを追加しました。

8月5日に更新された米長邦雄ホームページでは米長邦雄永世棋聖が8月1日の臨時棋士総会の結果について言及しています。意味をつかみかねる部分もありますが、いろいろと矛盾した心情がうかがえて興味深い内容です。

矛盾の箇所は例えば、「理事会としては言いたいことは山程ありますが、何も語りません」と書いた直後にたくさん書いていたり、委任状について「36人分ありました。あくまで私の推測ですが、不支持20、支持16くらいかと思われます」とありますが、さわやか日記8月2日(水)13時27分22秒付では「私の推測ですが、36票は毎日案支持をした方が多かったのではないかと思われます」と書いていたり。まあそれが持ち味みたいなところもありますけども。

気になるのは次の部分です。

ネガティブキャンペーン

これが毎日新聞社にとっての敗因です。週刊現代をはじめとするメディアが一大キャンペーンを張りました。
第一報は4月20日号の週刊現代。ここには毎日新聞の方の他には大崎善生氏が登場します。そして、8月2日の毎日新聞朝刊にも締めくくりで大崎善生氏がご高説を述べておられます。
将棋界で飯を食い、将棋界を題材にした人物が、理事会の悪口を徹底的に書いている。これに対する棋士の反応がそのまま票差になって表れたものです。
彼を好きな人は毎日を支持し、嫌いな人は不支持。その後私は5週続けて同誌に出されましたが、棋士は何を感じたでしょうか。

まず気になるのが「毎日新聞社にとっての敗因」という書き方。勝ちとか負けとかいう次元からは離れるべきだと思うのですが。

そして、名人戦契約問題についていろいろ(10)で触れた部分の続きのような感じになっています。どうしてそんなに大崎善生氏を敵視したがるのかわかりません。いないとは思いますけども、個人的な好き嫌いで投票権を行使するような人には公益法人の意思決定に関わってほしくありません。ところで、毎日新聞週刊現代以外にキャンペーンと言えるほどのことをした媒体はあったでしょうか。

それから「普及のためのお金が入ってくる。どのように考え、どのように使うか」というのは、まさか考えてなかったとか……。これだけあればこのくらいのことができるくらいのプランはあるものだと思っていましたが。

話は変わりますが、8月7日発売の読売ウイークリー8月27日号では「名人戦『朝日勝ち』でもなお混迷のワケ」という見出しの記事が、週刊現代8月26日号では「米長邦雄名人戦移管決定』で粛清開始」という見出しの記事が掲載されるようです。読売ウイークリーの方は次のような内容だそうです。

紛糾していた「将棋名人戦」移管問題は、臨時棋士総会での投票の結果、僅差で朝日新聞社の主催が決まった。ところが、朝日と日本将棋連盟理事会は総会後、いったん“廃案”となった毎日新聞社との「共催」を再び模索し始めた。なぜ、この期に及んで共催なのか。事態は混迷の度を深めるばかりだ。

票が真っ二つに割れた棋士たちの間では、理事会への反感が噴き出し、シコリを残す形となった。朝日、理事会それぞれの思惑が絡み合う様相の中で、今後、毎日がどう対応するかが大きな焦点になる。将棋ファンもあきれる泥沼劇のウラ事情を探った。