将棋倶楽部24買収劇に思うこと

11月10日の将棋倶楽部24が日本将棋連盟の傘下にの続きです。

まず確認からですが、今回の発表は「24インターネット事業を連盟に譲渡する」ということですので、有限会社将棋倶楽部24は存続します*1。ただ、有限会社将棋倶楽部24の事業で将棋対局サイトの運営以外のものがあるとは聞いたことがないので*2、事業主体がかわるだけで実際に作業は久米宏氏に委託されるという形になるのでしょう。文章を読む限り、少なくとも当面は目に見える変化はないと予想されます。有限会社将棋倶楽部24自体は久米氏の個人経営のようなものなので、過労とか何かとリスクがあって不安だということはこれまでも何度か書いてきました。日本将棋連盟が後ろ盾になるのであれば、そのあたりの心配はだいぶ緩和されます。

問題は日本将棋ネットワーク(NSN)との関連ですね。これはもともと日本将棋連盟が合弁の形で設立した会社ですが、現在は日本将棋連盟との資本的なつながりはなく、「唯一の将棋対局公式サイト」という宣伝文句を一定期間許可する契約を結んでいるのだろうと思っていました。この件についてNSN側と話が付いているのならいいのですが、そうでないと途中で契約を解約することになり、違約金が必要になるのではないでしょうか。現在も日本将棋連盟サイトのトップページに「日本将棋連盟唯一の公式ネットワーク」と書かれたNSNのバナーが貼り付けられており、どのように調整が行われたのか(あるいはこれから行うのか)かなり気になるところです。ただ、NSNはずっとお荷物だったので、関係を処理できるならそうした方が良いのは確かでしょう。

最近、日本将棋連盟Yahoo!JAPANとの連携を強めていたのでそちらの方で何とかしようとしているのかと思っていたのですが、将棋倶楽部24を手に入れて独自にいろいろできるようにしたかったのでしょうか。

将来的な有料化を懸念する声も各所で聞かれますが、そのまま有料化したらうまくいかないだろうことはさすがにわかっていると思います。現在無料でできていることは今後も無料でできるとして、それにプラスして有料のサービスを設けるという感じではないかと私は予想しています。現在のサーバで有料サービスを行うのはシステム的に困難なように思われるので、新しいサーバを持ってきてそこには有料会員しかログインできないというような形がいいのかなと。以前ついえてしまった24BBネットの再来みたいなものですね。あのときに協力できていれば違っていたのでしょうけれども。

有料化というと抵抗のある方もいると思いますが、要するに喜んでお金を出してもらえるようなサービスを作って下さいということです。インターネットだけでなく実際に足を運ぶ部分につなげられるとさらに良いですね。簡素なシステムのままいろいろできるようなことを考えたいですね。

*1:紛らわしいですが、ここでは「将棋倶楽部24」と書いたらインターネット将棋道場のことを指し、有限会社を指すときには「有限会社将棋倶楽部24」と書くことにします。

*2:会社概要には「ソフトウェア開発」なども掲げられているので、そういう事業を行っている可能性がないわけではありません。