林葉直子インタビュー

来月あたりには、http://www.ocn.ne.jp/game/og/06/hello.htmlに移行すると思います。

自己破産のニュースがあったりしたときも取り上げなかったのですが、こういうのを見ると複雑です。今はもう完全に色物扱いで、編集者も完全にそういうものとして作っていて、当人もそれを受け入れながら生きているんですよね。「お笑いウルトラクイズ」に出演しても違和感がないという。そんな中で将棋を持つ駒の手つきはそれっぽいところがまた何ともやるせないというか人生というものの過酷さを感じます。

このインタビューの中盤に出てくる女流棋界の話はとても興味深いと思います。ただ困ったことに、今何を言っても眉唾にしか受け取られないくらいのイメージになっているんですよね。知名度はあるのですがいろいろな意味で危険があるという印象です。

若い頃の姿を知っている方はいろいろ思うところがあるでしょう。私はそれほど昔の話は知りませんが、こういう話を見るたびに思い出すのは、1994年に発行された「創棋会詰将棋作品集 月下美人」に掲載された山田久美女流三段のエッセイです。「私が女流の中で比較的仲がいいのは林葉直子ちゃんと中井広恵ちゃんで」という調子で続いていく文章ですが、次のような部分は今となっているといろいろと考えさせられます。下ネタをよく話すわりに実体験に乏しく何も知らないという話があり、会話しているうちに恋愛観にかなりずれがあるとわかって驚いたという話になります。

私は開いた口が塞がらなかった。

直子ちゃんがホテルに連れ込みたいと思った男性は彼女の恋人ではなく、食事くらいはしただろうけど、一般的に言う『デート』というのはしていない相手だったからだ。

(中略)

彼女は今時中学生でもしているデートというものを、まともにしたことがないのだ。

その理由に、彼女が忙しいのもあるが、近寄りがたいという外見のイメージや、有名になり過ぎて、男性にとって高嶺の花と思われることだろう。

私が男なら直子ちゃんとような子と付き合いたい。何よりも彼女といるとパワーが出てくるし、毎日が楽しい!

この文章が書かれたのは、林葉直子20代半ばのころと思われます。女流棋士活動から退くのは1995年、この本が出た翌年のことでした。もう少し何とかならなかったのかと思わずにはいられません。