やじうまWatchで加藤一二三九段が紹介される

インターネット上で流行のネタを紹介することで有名なやじうまWatchで、本日「待った」で、加藤一二三九段に出場停止処分の件に関連して「加藤一二三伝説」が紹介されました。やじうまWatch将棋棋士が登場するのは、橋本崇載五段に続いて2人目です。

実際に紹介されたのはワラタ2ッキ:加藤一二三九段伝説ですが、おそらくこれの元になったのは加藤一二三九段伝説です。(さらに元があるのかもしれません)

しかし、私としては加藤一二三の魅力の方がおすすめです。詳しい上に、愛が感じられるので。

次にコメントでご紹介いただいた【DVD化決定】棋テレビ対局・反則負け一覧【1977-2005】というページですが、これはプロの犯した反則のコピペです。注意していただきたいのは、これはテレビ対局に限らない反則負けの一覧だということです。(テレビ対局での反則は、2004年の豊川孝弘六段と2005年の松尾歩五段だけだと思います。)

最近は、反則があったときには棋戦結果一覧の備考欄に「反則」と記載されるのでわかるようになりましたが、それ以前は反則があってもなかなかわからなかったのではないかと思います。上で紹介した一覧も、ごく一部を列挙しているにすぎません。例えば昨年6月14日の東和男七段の反則負けは記載されていません。(この反則が二歩だったか王手放置だったかそれとも別の何かだったかは失念しました。)

今回の加藤一二三九段の「待った」については10日の「待った」で、加藤一二三九段に出場停止処分および、リンク先を一通りご覧いただけば理解できると思いますが、反則について要点だけ記しておきます。*1

プロの対局について規定した「日本将棋連盟対局規定」によると、反則は次のように取り扱われることになっています。*2

対局中に反則を犯した対局者は即負けとなる。

  1. 対局者は相手の反則行為に対して、時計を止めて相手に反則の確認を求めることができる。
  2. 両対局者が反則に気づかずに対局を続行し、終局前に反則行為が確認された場合には、反則が行われた時点に戻して反則負けが成立する。
  3. 終局後は反則行為の有無にかかわらず、終了時の勝敗が優先する(投了の優先)。
  4. 対局者間で反則行為の有無の結論が出ない場合は、反則勝ちを主張する対局者は、対局を中断し、理事会に提訴することができる。
    提訴の内容については、理事会が両対局者および第三者の証言を求めた上で判断・処置し、両対局者はその決定に従うものとする。
  5. 対局者以外の第三者も反則を指摘することができる。

タイトル戦など大きな勝負には立会人が付いて取り仕切りますが*3、そうでない通常の対局では審判は付きません(記録係は付きますが、善意の第三者以上のものではありません。)。したがって、何か対立が起こったとしても両対局者間での話し合いで決着をつけるのが原則です。そして、反則行為をされた相手方が何も言い出さずにそのまま終局したなら、その結果が優先されます(第3項)。

今回、加藤九段に「待った」をされた阿部隆七段は指摘を行いませんでした。(私はその様子を見ていませんが、各所の描写を見る限りではそもそも「待った」と認識していたかどうかも不明です。)したがって、規定に基づき、加藤九段の勝ちは誰も覆すことはできません。

ですから、加藤九段が処分を受けたのは、その行為が「棋士として)あるまじき行為」(田中寅彦九段談)だったからということなのでしょう。つまり、反則がいけないのではなく、マナー違反がいけないということなのだと思います。詳しくは16日に行われる予定の連盟記者会見で明らかにされるはずです。

最後になりましたが、少しだけリンクを追加して終わりにします。

*1:ここで言う「待った」とは、『将棋ガイドブック』に掲載されている「将棋の基本ルール」の12に違反した状態を指しています。「指し手の対象となる自分の駒から手が離れた時を指し手の完了とし、完了後は指した手をもとに戻したり、他の指し手に変更することはできない。

*2:将棋ガイドブック』より引用。日本将棋連盟のサイトにある対局規定(抄録)とは一部異なっていますが、「ガイドブック」の方が新しいと思います。

*3:規定上、立会人にどの程度の権限が与えられているのかについては、私はよく知りません。

エキサイトブログのrobots.txt

勝手に将棋アンテナに登録してあるサイトの中で、エキサイトブログを利用したページの更新状況を捕捉できなくなっています。おそらく数日から2週間くらい前からではないかと思うのですが、正確な時期は不明です。

よそでは話題になっていないようなので自信がありませんが、この原因はエキサイトブログrobots.txtにあるようです。例えば http://joryu.exblog.jp/robots.txt を見てみると、検索エンジンGoogleのものしか通さないような設定になっています。したがって、アンテナのための巡回ロボットに加えて、Yahoo!などの検索エンジンのためのロボットもすべて拒否することになります。

最初は「ブログの中の人が拒否したいのなら仕方ないなあ。それにしても、robots.txtを編集できるなんて珍しいサービスだなあ。」と思ったのですが、調べてみると一律にrobots.txtができているようなので、エキサイトブログの運営側がそのように設定したということなのだと思います。ウェブログを書いている方がそのような設定を望んでいないなら(例えば、女流棋士会HPスタッフブログは制限されることを望まないと思います)、robots.txtは不要だと私は思うのですが何か理由があってのことなのでしょうか。

この設定変更が行われたのは最近のはずなので告知を探したものの、エキサイトブログ向上委員会を含めどこにも見あたりませんでした。また、この件を扱った非公式のページも見つかりませんでした。何か情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ご教示下さると助かります。

角交換四間飛車の定跡書

畠山成幸七段著。購入予定ですが、最近は近所の書店が将棋の本をあまり入荷してくれないので、大きな書店に行く機会ができるまでお預けになりそうです。他にも見たい本がいろいろあるのですが。