甲斐智美女流初段が鹿島杯優勝、女流二段に昇段

9月18日に行われ、9月29日に放送された鹿島杯女流将棋トーナメント勝戦中村真梨花女流初段 対△甲斐智美女流初段の対局は98手で後手の勝ちで、甲斐女流初段の棋戦初優勝となりました。この結果を受けて、甲斐女流初段は女流二段への昇段が決まりました。この対局の棋譜TOKYO MX * 鹿島杯女流将棋トーナメントでそのうち公開されると思われます。

この棋戦は今回から規模が縮小され、予選のかわりに前年度の成績に基づいて8名が選抜が選抜されることになりました。また、タイトル保持者が出場できない規定になったことで、今回のように目新しい組み合わせが見られる機会が今後も増えそうです。勝ち星規定を除くと、初段までと比べて女流二段になるのは急に大変になるのですが、これからは同じようにして女流二段に昇段する女流棋士が増えるかもしれませんね。

使用駒三種のばか詰

すでに9回目を迎えた協力詰(ばか詰)の作品展。今回のテーマは「使用駒三種(以内)」です。私は5手詰を投稿しました。完全な客寄せ作ですので、解いていただければと思います。

この条件はかなり厳しかったようで、全体に易しい作品が多いですね。

森茂氏が逝去

フェアリー詰将棋のホームページ - Onsite Fairy Mateで知ったのですが、詰将棋作家の森茂氏が逝去されたそうです。上で紹介した九州G作品展フェアリー別館に今回は出展されていないんだと思った直後に知ったのでショックでした。

最近のフェアリー詰将棋では、2004年の12555手詰のばか詰で紹介した「龍の顎」や、今年出題されたばか詰1965手が代表作だと思いますが、キャリアの長い方ですのでそれ以外にも私の知らない名作がたくさんあるのだろうと思います。

ばか詰の超長編で全く新しいプロットはもう難しいのではないかと思ったこともあったのですが、こういう作品が出てくるとそうは言えないと認識を改めさせられた作品でした。森氏はこれからもどんどんそのような新機軸を作り続けていくのだろうと何となく思っていただけに、誰にもやってくるものとはいえ残念でなりません。ご冥福をお祈り申し上げます。

世界チャンピオン戦のごたごたは収拾へ?

9月29日にお伝えしたチェスの世界チャンピオン戦でごたごたに関してですが、その後一応の収拾へ向かいつつある様子です。

FIDEの会長を含めた話し合いにより、トイレの使用は元通りにし、その代わり相手のトイレを検査できるということで合意が成立したようです。さらに、Appeals Committee のメンバーは自発的に辞任したとのことです。

次の対局がいつ始まるのか、またクラムニクの不戦敗となった第5局の結果が有効とされるのかについては、まだ決定が下されておらず先行きはいまだ不透明な部分が残されています。

将棋世界が「将棋道場ガイドブック」を制作中

本日更新された米長邦雄の家で次のように書かれています。

将棋世界」では、以下の通り、全国の道場や教室案内の完全保存版を作成するようです。ご希望の方は下記のリンクよりアンケート用紙をプリントアウトし、ご記入の上、将棋世界編集部までFAXして下さい。

アンケート用紙を参照して、メールでお送りいただいても結構です。

将棋ファンの皆様方へ

前 略

このたび日本将棋連盟発行の月刊誌「将棋世界」では、日本全国の将棋道場・将棋教室についての情報を「将棋道場ガイドブック」(仮称)としてまとめることを計画中です。将棋ファンの方々が道場や教室に通うための一助になればと考えております。

つきましては、将棋ファンの皆様方に情報のご提供をお願いする次第です。恐れ入りますが、10月末日までに、将棋世界編集部宛に上記に関する情報をお知らせいただけると助かります。アンケートのご送付は、FAXやEメールでも結構です。掲載はもちろん無料です。

草々

アンケート用紙は以下のリンク先にあります。

普通はPDF文書にして公式サイトにおいておくものだと思いますが、ともかく掲載を希望される方はこれを参考にどうぞ。

将棋タウン3行のつぶやき 9月12日付によると、郵送でも送られることがあるようです。

10月8日追加

インターネット上の新棋戦?

本日更新された米長邦雄の家で次のように書かれています。

理事会報告があり、9月の棋士会でも発表しましたが、ネットによる新棋戦がスタート出来るかも知れません。

この棋戦は3ヶ月のトーナメント戦で、年4回と考えています。お金を出して下さる一流企業があるのです。

私はネットでのリアルタイム観戦も全て無料と考えております。ただスポンサー企業のHPをクリックしてからの参加にして頂きたい。テレビ番組でのコマーシャルと思って下さい。一人でも多くの人にアクセスしてもらうためにはどうしたら良いかです。

以上が発表したものであって、これ以上書くことは出来ません。

「HPをクリックする」とスポンサーにどういうメリットがあるのか具体的な話が出てこないとわかりませんが、そういう種類の企業だということでしょうか。

ウェブ中継を主眼に棋戦が新設されるとしたら初めてのことですので、日程・持ち時間などをどうするのが最適なのか、既存の発想にとらわれずに検討してほしいと思います。1回の期間が短いようですので、実験的なことを試す機会に使ってもらいたいです。

タイトル戦中継は生き残れるのか

あまり調べていないのですが、近い将来のNHK改革によってチャンネル数が減らされる公算が大きいと言われています。そして、報道によればその1つが衛星放送第2だという話です。BS2で放送される将棋関係の番組に以下のものがあります。

もしNHKの持つ衛星放送が1波だけになれば、これらの番組は現在BS1で放送されている報道やスポーツ関係の番組と競争することになります。果たして生き残れるでしょうか。正直なところ、囲碁・将棋のタイトル戦中継は、動きが少なくてテレビに向かないものの代表格のように言われている気がします。最近は解説を増やすなど工夫して空白を少なくするようにしている努力が見られますが、将棋に関心のない人に理解されるところまではなかなか行けないようです。将棋ファンにとっては一番の楽しみなので続いてほしいのですがどうなるでしょうか。