ウェブ上での放送事業

情報を即時的に届けるという意味で、将棋の棋譜速報も放送の一種と考えることができます。これまでウェブ上での放送で成功した例はほとんどありませんでした。しかし5月24日に書いたように、将棋は、伝達に必要な情報量の少なさを生かして、事業展開の初期段階での有力なコンテンツになる得ると思っています。毎日新聞が最近棋譜速報を始めたのもそのような思惑があるのかと考えた時期もありました。

しかし、この記事を見ると何も考えていないようですね。

IPで流されてしまうと、ライツ(著作権)の保護が出来ないことは明らかだ。」という文に見られるように、少なくともこの文章を書いた人は、ウェブ、放送、商売といった事柄に関して理解が貧困です。ウェブ上での著作権保護技術は現在も精力的に開発が進められていますし、従来のテレビ・ラジオといった媒体でもコンテンツをコピーするのは容易になっています。細かいつっこみかもしれませんが、ウェブ上での放送を指して「デジタル放送」と書いているのも気になります。この人はテレビ放送がデジタル化されることを知らないのでしょうか。

ウェブ上での放送が広まっていないのは、単にまだ時期ではないか、事業者の努力が足りないからです。見る人が少ないのでは、提供されるコンテンツが少ないのも当然です。そのような理解で商売をしようとすること自体、疑問を感じます。