みなかみさんの順位戦シミュレーション
駒音掲示板でみなかみさんがときどき書き込まれている順位戦シミュレーションを楽しみにしているのは、私だけではないと思います。
しかし、そのシミュレーションに誤りがあったというのは興味深い話です。データファイルの中で「○」のつもりが「〇」と書いてあったのが原因というのは初めて聞く事例でした。わかりますか?記号の丸と、漢数字のゼロです。
言われてみれば、最近ちょっと妙な予測になっていたことがあった気がします。言われないとわからないというのは、よく見ていない証拠なんですけどね。数字の説得力には気をつけなければと、改めて思いました。
みなかみさんのシミュレーションがどんなものなのかご存じない方も多いと思うので、昨年の書き込みを引いておきます。
[523] Re[522][516]: C1シミュレーション 投稿者:みなかみ 投稿日:2002/10/17(Thu) 11:11
古い方は何度もお読みになっていらっしゃるでしょうが,新しい方のために説明させていただきます。
私のレーティング計算は,順位戦参加棋士同士の,テレビ対局を除く全対局が対象です。週間将棋の対局結果を用いています。Aが1800点Bが1700点ですと,Aから見て勝+12負-20ですから,Aは32戦20勝12敗で持点差を維持できます。そこでAのBに対する勝率を20/32=0.625とします。一般には,(持点差÷800)+0.5です。
このように棋士間の対局の勝率を設定すると,各棋士の昇級確率が理論的には定まりますが,実際に求めるのはほとんど不可能です。そこで,この対戦勝率で順位戦を100万期シミュレートしたときの昇級回数を100で割った値をご紹介しています。従って,この値は昇級確率でなく,シミュレーションによる近似値です。
なお,持点が信頼のおける値になるには各自30局以上が必要とされています。
[526] レーティングとシミュレーション予想 RE[523][524] 投稿者:みなかみ 投稿日:2002/10/18(Fri) 13:22
少々長くなりますがお許しください。
私のレーティング計算は1987年10月に名人:2900, A:2800, B1:2700, B2:2600, C1:2500, C2:2400 で始め,新C2にはC2の平均点を初期値としています。当時の平均は2524でしたが2002年4月にはは2591にあがっています。これは棋士のレベルが上がったということではなく,順位戦から外れたのは低持点の棋士が多かった,ということです。
レーティング持点というのは,対象グループ内の相対的な強さの一つの指標であって,そのグループ外とは比較できません。私の目的はまさに,順位戦参加棋士の相対的な強さを知るためのものですので,他と比較するつもりはありません。まして,ほとんどがアマチュアでかつ通信将棋の24との比較に意味があるとは思えません。実は女子プロのレーティング計算もやっていますが,男性プロとは独立して計算し,男性プロ対女流の結果も入れていません。念のため付け加えますと,1987年10月に初期値を100点低く設定していれば,現在の持点はすべて100点低くなっているはずです。
私はシミュレーションによる昇級確率(の近似値)の妥当性を主張しているわけではなく,さまざまな欠点(他棋戦と順位戦の違い,相性,先手後手,など)を承知の上で,単なる星取表よりも楽しんで頂ければと思っているにすぎません。相関係数を計算するなら,年度当初の昇級確率順と年度末の結果による順位との順位相関係数を出すのが妥当と思いますが,そんな面倒なことをやる気はありません。とは言え「どの位あたるのか」には多少興味がありますので,今期終了時に何か比較を見て頂くかもしれません。