取る一手将棋を考える (4)

取る一手将棋を考える (3) からの続き

先手の左端定跡に対抗する後手の3つ目の手段を、MOGUPONさんから教えていただきました。次のような手順です。

▲9六歩    △8四歩    ▲4八銀    △7二銀    ▲9五歩    △8三銀

▲9四歩からの左端定跡が怖いのなら利きを足して受ければいいという、しごくもっともな発想ですね。自然すぎて変則将棋では忘れられがちの感覚ですが、これで完全に左端定跡を防いでいます。▲9四歩 △同歩 ▲同香 △同銀 で何事もありませんね。こうなれば後手が駒得で優勢です。(8三に金が出るのも有力です。)

△8三銀型のデメリットは、先手からの左端定跡を防ぐ代償に後手からの右端定跡もなくなってしまうことですが、後手番なので守勢で構わないと思えばそれほど気になりません。このあとはお互いに自陣を整備する駒組みに移ることになりそうです。

ここまで先手の速攻にどう対処するかという話ばかりで、囲いとか陣形とかいう話は全くなかったわけですが、ここに至ってようやく駒組みの話ができる段階にこぎ着けました。私など、一時は先手必勝ではないかと考えた時期もあったのですが、現在はまだまだわからないと思っています。

とりあえず、完。