サイトを保存する方法を考えてみる

11月25日26日に書いたものについて、rkさんとisodaさんから反応をいただきました。私ももう少し続きを書こうと思っていたところだったので、もう少し考えてみます。

rk 『ちょっと強引な理解ですが、著作権というものは著作者が良いよと言えばOKなはずです。』

全くその通りだと思います*1。しかし、現状ではいいよと言ってくれる人は少なくて、むしろ「無断転載厳禁です。発覚した場合には刑事告訴します。」というのは極端ですが、コピーを作られることには慎重な人が多いように見えます。もちろん、転載を禁止することは法的にも道義的にも問題なく、様々なトラブルが発生することを考えるとむしろその方が望ましいのかもしれません。その点で、ある程度の制限を明示しながらコピーを許可できるクリエイティブ・コモンズの有用性があるなあと思っています。

とはいえ、コピーを許可するための具体的なメリットがないと、なかなかコピーを許可する方向には動きにくいだろうと感じます。ページの改変は認めずにそのままのコピーだけを考えると、サイトを別の場所で保存してもらうことの直接的なメリットは次のようなことがあります*2

  • サイトの安定性。例えば、自分の利用しているサービスがいきなり終了したり、つながりにくくなったりしたときに、同じ内容のページが別の場所にあればそちらに誘導することができます。いわゆるミラーサイトですね。
  • サイトの継続性。私的な事情によりサイトの運営が難しくなったり、有料サイトを利用していて資金的に苦しくなったりしたとき、それ以上ページを更新できなくなってもコンテンツを残すことができます。こちらはミラーというよりもバックアップですね。

例えば、将棋タウンのisodaさんは次のような文を書いています。

最近では、自分のサイトも、何らかの理由で閉鎖しなくてはならなくなった時、このコンテンツ、どうしようか、と考えている。

これは上記のサイトの継続性に関する懸念だと思います。将棋タウンのサイトは有料のサーバ上で運営されていますから、isodaさんが料金の支払いを止めれば直ちに将棋タウンのコンテンツは見られなくなってしまうでしょう。同じような心配を持っている人に対しては、ミラーを作成するサービスがあれば役立ちます。

しかしミラーを作るというだけなら、どこかの無料ウェブスペースにファイルを置いておけばすむ話です。将棋タウンのような大規模サイトだと大変ですが、普通のサイトならサイトを作っている当人が少し手間をかけるだけでできるので、他人に任せるほどのことではないと思います。特に将棋サイトなら通常はそれほどの容量にはなりませんから、ウェブスペースに困ることもないでしょう。

私が特に残念に思うのは、いいコンテンツがあるのに自分でそれを削除してしまう人です。いいコンテンツはそこにあるだけでいいので、更新されなくても削除されなければ問題にならないことが多いのですが、どのような理由からか、いきなり「閉鎖」という事態になることは少なくありません。これは、isodaさんが書いたようなサイトの継続性の問題とは別次元の話になります。継続性を気にしない人の了解を得るには、別の面からのメリットがなければならないでしょうかね。

いっそのこと、新しい無料ウェブスペースと位置づけた方が話がわかりやすいかもしれません。ただそれだと実行が大変なことになりますけれども。うーむ、もう少し具体的な構想を考えないと話が進まないですね。

*1:実際に著作権を持っているのが誰かという問題もありますが、ここでは措きます。

*2:私が文章を転載することを禁止しないのはそのような理由ではありませんが、今はちょっとうまく表現できないので別の機会に回します。