光速ノート45

今回は棋王戦第3局を前にして、公開対局の是非について意見を求めています。

棋王戦五番勝負は持時間4時間。対局が公開されるのは昼からとはいえ、全て観戦しようとすると6時間ほどかかることになります。

棋王戦、王将戦など、タイトル戦の公開は恒例になっているが、週刊将棋のインタビューでも述べているように、公開対局は日本シリーズのような早指しに限るべきだ、と私は考えている。

公開対局の醍醐味は、厳しい勝負の緊張感を味わえる事だが、昼休再開後から終局までの約六時間、ファンの方に緊張を強いるわけにもゆかない。

戦況を知るため、息抜きをするために大盤解説場に向かう人が増えてくる。結果、公開対局場が閑散としてしまう。実はその時間帯が対局者にとってはつらいのである。

タイトル戦のような長時間の公開は、別室での対局の様子をモニターで見ながら、大盤解説を楽しむ、というスタイルが、緊張感は体験できなくても、対局者、ファン両方にとって良いと思うのだが──。

タイトル戦を生で見られるのはうれしいけれども、長考していればとりあえず席を立って解説を聞きに行きたくなるのが観戦者の本音だと思います。「対局者にとってはつらい」という言葉は重いですね。直に接する機会を保ちながら、対局場をうまく演出する方策があればいいのですが。