朝日オープン、羽生善治名人が最終局を制す

本日行われた朝日オープン選手権第5局▲羽生善治名人 対△深浦康市朝日オープン選手権者の対局は、111手で先手の勝ちでした。棋譜などはasahi.com 将棋でご覧になれます。

注目された振り駒は羽生名人が先手を引きました。そこで、戦形は大方の予想通り横歩取りへと進みました。しかし、1から3局目とは違って今度は8四飛型。8五飛よりも最近の実戦例は少ないとはいえ、これも有力な形です。5・6筋の歩を突いていく後手に、金銀の盛り上がりで対抗する先手。後手は飛角桂の薄い攻めで手がつながるかどうかが勝負でしたが、飛が四段目を左右に動くばかり。その間に先手は中央に厚みを築いて不敗の態勢となりました。最後はそのまま先手がおしつぶして勝ち。横歩取りの先手として理想的な勝ち方でした。

これで朝日オープン選手権は羽生名人のものとなりました。この五番勝負に勝つと賞金と対局料をあわせて2,000万円を獲得できます。朝日オープンはタイトル扱いでないとはいえ、賞金額は普通のタイトル並みかそれ以上ですから*1、年間獲得賞金額争いの上で大きな意味を持つことになります。

*1:竜王、名人に次いで3番目でしょうか。