二歩の影響力

一昨日6月20日の二歩の件は、反響が非常に大きかったようです。普段将棋の話題を書かないページでも取り上げられていたことが多かったですし、「二歩」とか「豊川」などをキーに検索してこのページへ来た方も相当数いました。森内ががんばっても、羽生が負けても、一般的な反応はこの1割にも満たないでしょう。昨年10月に大内延介九段が事件を起こしたときもこれほどではなかったと思います。

一昨日書いたとおり、二歩そのものは珍しいとはいえ全く見られないことではありません。今月4日に田中寅彦九段が二歩を打ったときも、取り上げる必然性は感じませんでした。それがこれほど話題にあるのは、二歩がテレビ将棋で起こったからで、NHK杯戦の影響力の大きさを改めて見せつける格好になりました。そういえば、先崎学八段は以前、将棋の棋戦がNHK杯だけだと思っている人が結構いるという話を書いていましたね。実際にはNHK杯にはテレビに映らない予選があるので、一回戦に出るだけでもそれなりの実力が必要なのですけれども。

さて、最後に一つ気になったことを。あの二歩の局面は間違いなく後手優勢ですが、もし二歩を打たなかったら逆転の可能性はどの程度あったでしょうか。私が後手を持っていて、先手がプロだったら間違いなくプロの勝ちになると思います。