千日手局面の類似

両ソフトで千日手解説局面の類似が話題になったようですが、これについては私はちょっとどうなのかなと思わないでもありません。米長永世棋聖らによる著作権侵害訴訟の件に掲載されている千日手局面は、先手四間飛車・後手居飛車穴熊から先手が▲6五歩を伸ばした形から△7二飛 ▲6六角 △8二飛 ▲7七角を繰り返して千日手というものです。この手順自体は定跡書などでもしばしば解説されるもので、独自性は感じられません。

ただし、この局面そのものは実戦例はないと思います。なぜかというと、普通に進めた場合、居飛車側が2手余計に指している図だからです。どうしてこういう不自然な図を選んだのかはわかりませんが、そういう意味では独自のものと言えるのかなあという気もします。この局面なら居飛車側が千日手を選択することは考えられないので、解説としてはあまり良くないと思いますけれども。