勝てるか?からいつ勝つか?へ

上のエントリーの『決断力』と関連して、梅田望夫氏の記事を紹介します。

将棋ソフト「激指」が、アマ竜王戦全国大会でベスト16に進出したことは、将棋ソフトの発展を語る上で欠くことのできないターニングポイントだったと言えます。「来るか?」という問いに対して、「永久に来ない」と答えることはもはや考えられません。すでに時間の問題になったと言えます。

とはいえ、東大将棋開発者の棚瀬寧氏が「対戦相手の人達の戦い方はいわゆるanticomputer strategyを全く取ってなくて、がんがん攻めてますね」と振り返っているとおり、同じ実力の人でも戦い方を工夫することでコンピュータに太刀打ちできる余地が残されています。仕掛けをできるだけ遅らせるとか斬り合いは避けるといった小手先の対策で、数年間は「制される」日が来ることを食い止めることができるでしょう。

いつその日が来るのか。具体的に考えるとなると、どのような対局方式で戦うのかが決まらなければ答えることはできません。これについては松原仁氏は現在の名人戦の方式を念頭に置いているそうですが、瀬川晶司氏のプロ入り試験のように実況中継で人を集めることを目論むとすると、もっと短時間の方が望ましいでしょう。コンピュータが人間に勝つ日が10年後か20年後かはわかりませんが、直前になってあわてることのないように、今のうちから検討を始めてコンピュータ対人間の対局の実績を多く残しておけるようにすべきだと思います。