ランダム要素のあるチェス

8月1日にお伝えした初形が普通と違うチェスは、比較的反響の大きなエントリでした。これについて、yuukoさんから上記の記事をご紹介いただきました。

チェスでは膨大な数の変則ルールが考案されており、普通の人が簡単に思いつくようなアイディアはたいていのものはすでに誰かが考えていることでしょう。そういう意味では、フィッシャーの「チェス960」も例外ではないようです。

変則チェスに関してはThe Chess Variant Pagesがもっとも権威のあるサイトです(その一部は変則チェスのページに和訳があります。)。目次をちらっと見てみるだけでも、その幅広さに圧倒されると思います。その中にはFischer Random Chessもあります。

ただし、変則ルールの世界ではいろんな人がいろんなことを考えているため、同じルールが違う名称で呼ばれていたり異なるルールが同じ名前を付けられていたりと、混乱が見られる事例がしばしばあります。『Encyclopedia of Chess Variants』によると、「randomized chess」という語は駒の配列を変化させる種類の変則ルール一般に与えられる名称で、少しずつ異なるルールが少なくても50はがあるそうです。フィッシャーが提唱したものもその一つと言えるでしょう。

数多くの変則ルールの中でどれが多くの人を惹きつけるかは、ルールそのものの持つ魅力によるところが大きいですが、著名な人の支持も強い影響があります。その意味でフィッシャーが指していることの意味は重要であると言えます。