渡辺明竜王が八段昇段へ

竜王位に関する昇段規定として、これまでは「四段から六段までの棋士竜王挑戦権を得た場合、+一段の昇段」、「七段の棋士竜王戦七番勝負に勝ったら八段へ昇段」、「八段の棋士が通算2期目の竜王位を獲得したら九段へ昇段」というのがありました。渡辺明竜王は、五段のときに竜王に挑戦し2004年10月1日付で五段から六段へ昇段しており、その後どうなるのかが気になっていたのですが、今年の「竜王獲得により、10月1日付で七段に昇段」となっていました。原則として昇段は1年に1度だけなので、これは竜王獲得で翌年の七番勝負を戦うことが確定したため、竜王挑戦に準ずる扱いになったのだろうと私は解釈していました。その場合、竜王獲得1期という実績だけで重ねて八段に昇段することはできません。

それが、今回昇段規定の解釈が変更になり、「七段『以下』の棋士竜王戦七番勝負に勝ったら八段へ昇段」となったそうです。これですでに竜王位を獲得している渡辺明竜王は自動的に八段へ昇段することになりました。昇段の日付は11月17日付(竜王戦第3局1日目ですが、何か意味があるのでしょうか)。免状に記載される日付は2006年10月1日付だそうです。免状の日付と昇段日付は食い違っていてかまわないみたいですね。

10月9日に16歳4ヶ月で棋戦優勝囲碁では段を飛ばして昇段することがあるけれども、将棋ではそのようなことはないとお伝えしたのですが、これで「飛び付け昇段」の可能性が出てきたことになりました。とはいえ、そのためには四段・五段の棋士が一気に竜王奪取にまで進まなければならないわけですから、よほどのスター棋士に限られることになるでしょう。