順位戦B級1組・B級2組ラス前

順位戦B級1組第12回戦とB級2組第10回戦が10日に行われました。いわゆるラス前です。

B級1組の上位陣は以下のようになっています。(上位2名が昇級)

奇数リーグのため空き番があり、最終戦が空き番の阿部隆八段は一足早く今期の全対局を終了しています。

上位3名はいずれも勝って、すでに2位以内を決めていた深浦康市八段の1位が確定しました。残り1枠を争うのが中川大輔七段と阿部八段。最終戦は深浦-中川戦となっており、この勝敗ですべてが決まります。来期A級9位になることが決まっている深浦八段の指しぶりが、来期のA級10位を決めるという珍しい展開となりました。

B級1組の下位は以下のようになっています。(下位2名が降級)

  • 09. 4勝7敗(02) 高橋道雄九段
  • 10. 4勝7敗(04) 先崎学八段
  • 11. 4勝7敗(06) 島朗八段
  • 12. 4勝7敗(10) 北浜健介七段
  • 13. 2勝9敗(07) 青野照市九段(降級)

すでに降級が決まっていた青野九段の最下位が確定しました。4勝同士の直接対決となった行方-北浜戦は行方尚史七段が制して残留争いから抜け出し、それ以外の4勝が全員敗れたためこのような順位となっています。最終戦は先崎-北浜の直接対決があるため、高橋九段の残留は確定。島八段は最終戦の対高橋戦を勝てば自力残留です。

先崎八段はさすがにまだB2に落ちる格ではないと思うのですが、B級1組も厳しくなったものですね。

B級2組の上位陣は以下のようになっています。(上位2名が昇級)

  • 1. 9勝0敗(05) 畠山鎮六段(昇級)
  • 2. 6勝3敗(08) 内藤國雄九段
  • 3. 6勝3敗(09) 杉本昌隆七段
  • 4. 6勝3敗(12) 屋敷伸之九段
  • 5. 6勝3敗(18) 森雞二九段

2敗だった屋敷九段・森九段が両方とも敗れるという波乱により、内藤九段に自力が回ってきました。内藤九段は現在66歳。現役棋士の中で上から2番目です。将棋順位戦データベース高齢昇級者ランキングによると、順位戦で昇級した最高齢記録は1977年度にB級1組からA級に昇級した花村元司九段の60歳。もし内藤九段が昇級すればこれを大幅に上回ることになります。(ちなみにB級2組からB級1組への昇級に限れば、内藤九段自身による59歳が現在の最高齢記録だそうです。)

内藤九段に続くのが、杉本昌隆七段。この将棋に勝ったことで、六段昇段後150勝を挙げ七段に昇段しました。竜王戦の昇段規定改定で杉本昌隆六段・橋本崇載五段が昇段へという話がありましたが、その前に勝ち数規定での昇段が決まったことになります。

終戦で屋敷-森の直接対決があるので、2位の昇級者は3敗での通過となります。3敗で昇級できるのは非常に珍しいですね。

B級2組の下位は以下のようになっています。(下位4名に降級点。「*」は今期開始時点で保持していた降級点を示す。)

  • 19. 3勝6敗(11) 西川慶二七段*
  • 20. 2勝7敗(03) 土佐浩司七段
  • 13. 2勝7敗(13) 富岡英作八段(2つ目の降級点でC級1組へ降級)
  • 15. 2勝7敗(15) 神谷広志七段(1つ目の降級点)
  • 23. 1勝8敗(23) 脇謙二八段(2つ目の降級点でC級1組へ降級)

富岡八段・神谷七段・脇八段の降級点が確定しました。富岡八段と脇八段は2つ目の降級点で、C級1組へ降級となります。残りの降級点は1つ。西川七段と土佐七段の争いです。