プロ編入制度 「若手と五番勝負」案

詳細は、報道などが出揃ってからまた後日書きます。

3月17日追記

日本将棋連盟から公式記事が出ました。

現在、日本将棋連盟では、奨励会に入会せずプロ棋士になるための編入制度を委員会を組織し検討してまいりました。

本日、最後の委員会を開催し、下記のような答申案をまとめ理事会へ提出予定です。尚、詳細部分につきましては今後も検討をしていく予定です。

最終的には、5月に開催の『通常総会』に諮り、決定いたします。よろしくお願いいたします。

A案‥プロ編入三段リーグ編入試験
プロ編入試験 受験資格=プロ公式戦での戦積による
三段リーグへの試験 受験内容=検討中です

B案‥プロ編入試験
受験資格=過去1年間のアマ6大棋戦の優勝者によるトーナメント戦の優勝者
※特例案として 全棋士参加による棋戦の優勝者は、即プロ棋士とする

「本日」っていつですか?というのはおくとして(たぶん3月17日だと思います)、これだけだと不明な点が多くテナントも言いにくそうです。読売や朝日からは報道が出ていないこともあって情報が少ないですね。他の報道も引用しておきます。

同委員会は、試験の対象者について、(1)アマ王将戦など、アマの主要大会のタイトル獲得者が参加して行うトーナメント戦の優勝者(2)プロの公式棋戦に出場し、一定の成績をあげたアマチュア女流棋士−−の2案を提示。試験方法は「若手プロ5人と対局し、3勝すれば合格」という案で一本化した。

プロ編入試験の受験資格は(1)プロ公式戦の戦績で判断(2)過去1年間のアマ6大棋戦の優勝者によるトーナメント戦の勝者―の2案。そのほか、全棋士参加による棋戦の優勝者は即プロ棋士という特例案も検討されている。

まとめると、プロ公式戦での好成績(A案)または、年間でのアマ棋戦優勝者から1名(B案)がプロ編入試験を受けることができるということのようです。毎日新聞に出ている「若手プロ5人と対局し、3勝すれば合格」という話が日本将棋連盟の方には出ていないのが気になりますが、さすがにこれが間違いということはないのでしょう。

私の考えでは、この2案の本質的な差はプロ編入試験がどのくらいの頻度で行われると想定されるかという点にあります。A案では、アマチュアがプロを相手に好成績を収めることはなかなか起こらないと思われますが、B案なら必ず毎年1回はプロ編入試験を行うことが可能となります(優勝者がプロを希望しない場合にどうするかという問題はありますが、そのときは順繰りに権利を移動させるか、ただのプロアマ戦として対局をするかなどいくつかの方法が考えられます)。

プロ試験制度検討委員会が2005年12月11日に発表したアンケート結果に沿って検討を行っているのだと思います(参照:プロ編入試験制度のアンケート 集計結果が発表に)。それによると開催ペースは毎年という意見が多かったそうなので、そういう方向で検討されているのかもしれません。A案では毎年は無理なので、その代替として三段リーグ編入の機会を設けることを検討しているのかもしれません。

そのほかの論点としては、プロ編入となったときに順位戦への参加を認めるかどうかということがあります。「全棋士参加による棋戦の優勝者」という特例については順位戦参加に異論はないと思いますが、例えばプロ編入試験で全勝したら順位戦への参加を認めるということもあっても良いだろうと思います。

ほかにも検討すべきことはいろいろあって現在進行しているのでしょうけども、現在公表されている情報だけでは論評が難しいところです。