「大改革」と公式サイト

まず3月29日の日本将棋連盟デジタルショップメールマガジンが終了へについては、3月31日に「形は変わりますが、発行のほうは続けていく予定となっております」という声明があり、4月5日付で新たな担当者によるメールマガジンが送られてきました。結局、手続きなしで継続購読ということになったようです。

これは4月1日付に行われた日本将棋連盟内部での人事異動などに伴うもので、今年に入ってから米長邦雄永世棋聖は自身のホームページで「大改革」と謳ってきました。その中身とされるものが米長邦雄ホームページ将棋の話の4月1日更新分で「新しい組織図」と題して書かれています。このページに書かれたことは日数がたつと消えてしまうので、全体を引用しておきます。

新しい組織図

日本将棋連盟は職員が約50名です。4月1日付で大きく変わりました。先ずは理念を打ち出しました。
「我々は将棋に尽す、将棋を愛する者の集まりである」
これはプロも女流棋士も職員も同じです。

今回は次の四点が特徴です。

○女性重視

10名が昇格しました。そのうち7名は女性。部下を評価するポジションの人は4名います。それ以前はゼロだったのです。

次いで子育て支援策。少子化の折、赤字団体も率先して職員を支援する。子どもの将棋ファンの増加は柱のひとつです。小学生のお母さん達に「将棋界は良い所」という印象を持ってもらえればと願っています。

○大異動

職員の能力を伸ばし、職場が活性化するためには部署を違える必要があります。新しい部署で人間が成長する。職員一人一人とじっくり話し合いをして、人事は完了しました。

退職者4名。契約社員も4名新参入です。

○将来の戦略

経営戦略本部を創設しました。ここは旧来の仕事や契約を見直す部です。将棋連盟本部がやるべきこと、やらなければならないこと、やった方が良いものは残す。そうでないものは外注もしくは廃止を打ち出します。

棋士への仕事の依頼の偏りがあるかどうかもチェックする。ごく一部の人間が声を出して反対しているようですが、会員も事実を知ってしまえば理事会は支持されると信じています。

○IT事業について

ホームページ作成や対局結果、記録(データ)等は穴をあける訳にはいきません。これは契約社員が担当。更に2人程必要に応じて増員を考えています。新しいことを始めます。これは「まじめな私」をお読み下さると大体のことが分ります。

まず、誰でも気付くと思うのですが、表題に「新しい組織図」とありながらどこにも図が書いていません。「特徴」が書いてあっても全体像が見えないわけです。米長永世棋聖のホームページでは米長節が読めれば十分なのでそれでも構わないのですが、公式サイトの方できちんとした説明をしてほしいものです。

「職員の能力を伸ばし、職場が活性化するためには部署を違える必要があります。」という部分は何を意味しているのかよくわかりませんでした。組織の改編を行ったということなのか、部署間の人事交流を活発にするということなのか。いずれにしても、あれだけ大きく出たのですからもっと具体性のある話があった方がいいと思うのですが。今回の件に関連する話は、窪田義行五段が触れていました。

IT事業については、「穴をあける訳にはいきません」とあります。しかし先ほど確認したところでは、棋戦結果のトーナメント表などが更新されていないようです。新年度の公式サイトは次のような状態になっていました。

気付いただけでこのくらいありました。誤記などはこれまでもないわけではありませんでしたが、このように更新に穴が空いてしまうことはありませんでした。深刻です。おそらく引き継ぎがうまくいかなかったのでしょうけども、今後どうなるのか不安が残りました。

公式サイトの第一の役割は正確かつ迅速に情報を提供することです。それは公式ページにしかできないことですから。面白いページを作るというようなことまでは要求しませんので、とにかくそれだけは誰が担当者になっても欠かさずに更新を続けられるシステムを整えてほしいと思います。

*1:フリークラス転出したのは窪田五段ではありませんので念のため。4月1日午後11時59分にアップロードしてエイプリルフールというのもどうかという気がしますが(笑)。