菊池寛の随筆

玄人と素人との棋力を格段に違つてゐるやうに云ふ人がある。素人の初段は、玄人の初段とは二三段違ふと云ふのである。しかし、自分は思ふに玄人と素人との力の違ひは、たゞ気持の問題で、一方は将棋が生活のよすがであり、その勝敗が生計に関し、立身に関すると考へるからだと思ふ。素人だつて、玄人同然の必死の気持で研究し対局したならば、さう見劣りするものではないと思ふ。

というあたり、今読むと先見の明があるように見えますね。

青空文庫には関根金次郎の文章も収められています。

作家別作品リスト:関根 金次郎