サッカーを詰将棋に例えると

スポニチに掲載された二宮清純氏のコラムです。メールで教えて下さった方ありがとうございました。二宮清純氏は2004年に発行された『簡単に、単純に考える』の中で羽生善治三冠と対談したこともあるので、ある程度将棋に詳しいのでしょうね。

考えてみればサッカーと同じではないか。「王手の連続」とは、すなわちゴールへ迫る道筋であり、それが「最短手順」で行われるべきなのは言うまでもない。「詰め将棋」という独特のゲーム文化とゲーム脳を持つ日本人がなぜ芝の上では思うように相手の玉を落とせないのか。昔から不思議に思っていた。

一度、そのことをジーコに直接、尋ねたことがある。将棋については「チェスのようなものだろう」と認識されていたが「詰め将棋」についてはご存じなかったようなのでレクチャーすると、彼はこんな感想を述べた。「将棋の駒はサッカーに例えればプレーヤーになるのでしょう。シュートを打とうとする選手はゴール前の駒(GK)の動きをよく観察することです。そしてどちらに動くかを瞬時に判断しなければなりません。日本の選手たちは速さを意識し過ぎるあまり、落ち着いて(GKを)観察するという教育をこれまであまり受けてこなかった。大切なのは蹴る前によく見ることです」

ジーコ詰将棋についてレクチャーされたことがあるというのが一番のニュースではないかと思います。それはともかく、サッカーには作者がいないということが大きな違いですね。