名人戦契約問題についていろいろ(28)

明日26日の日本将棋連盟棋士総会に諮られる議案が発表されました。というか、議案があるんですね。

(1) 毎日新聞社と単独案の交渉をする
折り合いのつかなかった場合は
(2) 共催案(毎日新聞社朝日新聞社、連盟の三者協議)
不調の場合は
(3)朝日新聞社と交渉する

(1)→(2)→(3)の手順で交渉を進めることについて、可か否か議決する予定。

上の議案について、毎日新聞社は次のようにコメントしています。そう言いたくもなるだろうなと思います。

毎日の社長室広報担当は「弊社に送られてきた通知書の補充説明書には、『貴社と誠意ある協議に臨み、双方が納得のいく話し合いをしたいと考えています』と明記されている。この日公表された理事会案は、弊社との交渉の前に『折り合いのつかなかった場合』『不調の場合』を明示する内容であり、誠意を疑わざるを得ない」としている。

上の(2)(3)については、報道でその内容がある程度明らかになっていますが、(1)についてはどのような交渉をするつもりなのか不透明な部分が多く残されています。ここをはっきりさせずに可決されるとしたら、事実上白紙委任ということになるのではないでしょうか。下記のコメントにあるように理事会にまかせるのだという認識があって可決されるのならそういうことだと納得しますが、個人的にはまかせてもらいたいならそういう文面で書いてほしいと思います。

理事会案が可決されれば、6月に第64期名人戦が終わり次第、先に朝日新聞社が提示した契約金額を参照しながら毎日新聞社と契約金アップについて交渉。折り合いがつかなければ、連盟が提案した両社共催案を朝日を交えた3者で協議。この2つの案が不調に終わった場合、朝日単独主催で交渉する。朝日単独になった場合は「契約金も提示されており、一気に契約まで進むこともあり得る」と西村一義専務理は話し、「あくまでもこの3段階の手順を踏み外さない条件で理事会にまかせてもらいたい、という案だ」と述べた。

毎日新聞社朝日新聞社のうちでお金をたくさん出した方にするという線は変えていないようですね。話が名人戦順位戦以外ににも波及しうる可能性がどう判断されるのかだと思います。

なお、協議の開始時期については毎日新聞で次のように報道されています。

また、同連盟は25日、毎日新聞社に「契約変更協議の開始について」と題する文書を送った。本社が名人戦の第66期以降の協議開始を現在対局中の第64期七番勝負終了後にしたいとの意向を伝えたのに対し、「事業遂行や運営上の理由から、速やかに協議に入り、短期間(2カ月以内をめど)で納得のいく結論を得たい」と要求している。

昨日協議に合意したという文書が日本将棋連盟から出たので、毎日新聞社の提案通り名人戦七番勝負終了後に協議が始まると理解してそのようにお伝えしたのですが、連盟理事会の本意はそうではなかったということです。この点については私の誤解でした。昨日のエントリには注記を加えました。

追記:某所を見ていて気付いたのですが、名人戦についての交渉経緯(続、5月23日更新)の中の「『通知書』の 補充説明書」で、締めが「以 上」となっていたところが「敬具」と訂正されています。