名人戦契約問題についていろいろ(40)

明日まとめて書く予定だったのですが、ニュースが入ってきたので名人戦関連のみ更新します。

インターネット上での棋士の反応はきちんとまとめていませんでしたが、7月23日付の渡辺明竜王の下記の記述は少し気になるところです。

のんびりした中でも名人戦問題の噂は入ってくるわけで。理事会や棋士の票読みはあくまでも推測なので「ふーん」って感じなのですが耳を疑いたくなる事実も。こういう話を聞くとこの先が不安になって仕方がありません。

何の話なのかわかりませんが、そのうち明らかになるのかもしれません。

次に、7月27日発売の週刊文春8月3日号で「毎日新聞が破格の条件で将棋名人戦死守?」という見出しの記事が出ています。半ページほどの短めの記事です。

名人戦毎日新聞社の提案を紹介した上で、「現役棋士」の話として、毎日新聞社支持の棋士が多いが朝日を支持する理事会側も多数の委任状を集めておりどうなるかわからないという内容になっています。

最後に、先ほど次のような記事が出てきました。27・28日に行われた王位戦第2局を担当した北海道新聞の記事です。

羽生王位はさらに、「心情的なもの、将棋界の伝統や将来のことなどいろいろ考えたときに、明解な決め手はないが、投票時期が迫ってきたので苦しい判断をした。ただし、今回の表決で結果が出たからといって、それで終わりではないと思っている」とし、長期的な視点に立って判断すべきだ、との認識も示した。若手棋士に影響力のある羽生王位の「毎日支持」表明は、表決に影響することも予想される。

5月31日にお伝えした名人戦契約問題についていろいろ(31)の中で紹介した記事にあったコメントとは違う結論となりました。その記事の後に考えを変えたのかその記事が誤りだったのかは不明ですが、いずれにしても「影響することも予想される」どころの話ではないのではないかと思います。

7月29日追記:

毎日新聞社の主催継続か、朝日新聞社への主催移管かを棋士の投票で決めることになっている将棋名人戦問題で、動向が注目されていた羽生善治王座(王位・王将)が毎日案を支持していることが29日分かった。毎日案支持の意向はすでに同社に伝えており、羽生王座は日本経済新聞の取材に「いろいろあって難しい問題だが、自分なりにじっくり考えて決めた」と話した。

毎日新聞社にもこの意向が伝わっているそうです。しかし、毎日新聞を含め他の新聞社からは記事が出ていないようです。棋士ウェブログなどでこの話に触れたのも、今のところ渡辺明竜王のみのようです。

投票をどうするかはどの棋士もそろそろ決めてある時期でしょうけれども、その決断を事前に公表するかどうかは難しい判断だっただろうと思います。いろいろな考え方がある中で、羽生三冠の今回の判断は第一人者として将棋界を牽引する責任感が背景にあったのでしょう。