最近の瀬川晶司四段

プロ入りから今月で1周年となった瀬川晶司四段ですが、相変わらず様々なイベント等で名前を見る機会が多いですね。新しいプロ編入制度は機能する見込みが立っていませんが、瀬川四段の誕生はそれだけで活性化に役立ったということがわかります。

その瀬川四段はフリークラス脱出を目指して戦っているわけですけれども、壁はなかなか高そうです。現時点で、今年度の成績は10勝5敗(勝率.667)。決して悪い成績ではなく、むしろかなり勝っている印象です。しかし、順位戦抜きで年間18勝とか33局とか(新人王戦参加棋士の場合)の基準は相当厳しいことがわかりますね。今年度はこれから勝ち残っている銀河戦に加えて、竜王戦王将戦棋王戦・新人王戦・NHK杯の予選がありますが、今年度あと8勝するのは相当大変だと思います。各棋戦で初戦を勝ってNHK杯予選で3勝して本戦進出くらいでないと、勝っても対局が3月までに収まらないことがありますので。やはり良いところ取りの30局以上で6割5分以上の規定が一番現実的でしょう。つまり、あと5敗する間に10勝するということです。こう書くとそれほど大変でないような気がしてきますが、それはしょせん他人事だからですよね。

ところで、糸谷哲郎四段は今年度順位戦を除いてすでに19勝3敗ということで、フリークラスだったとしても基準をクリアしているんですね。最近の新人の中ではさすがに別格の成績です。高崎一生四段も順位戦6連勝や朝日オープン本戦進出などや活躍していますが、順位戦を除くと13勝6敗ということで基準を確実に上回るとは言えない程度の数字になってしまいます。こうして見ると、フリークラス脱出の難易度がわかりますね。なお、フリークラス規定は下記のリンク先に書かれています。

将棋パイナップルで、現在の若手有力棋士でもフリークラス脱出の基準をみたすまでには数年かかっているという書き込みを見た記憶があるのですが、見つけることができませんでした。たしか、宮田敦史五段がおよそ1年半で達成したのを除くと、だいたい3年くらいはかかっていたという話だったと思います。