詰将棋パラダイス7月号

今日になって詰将棋パラダイス7月号が届きました。今月号は少し厚くなっています。その原因は看寿賞発表記事と森田銀杏氏の追悼記事ですね。*1看寿賞選考方法が今年から変更されたのを受けて、選考過程が詳細に記載されています。選考委員の個々の意見が見られるのは興味深いですね。

そんな華々しい風景の裏側で、フェアリー作品に贈られる妖精賞の発表も行われました。今年の受賞作は以下の通りです。

部門作者名ルール・手数掲載
短編内田昭ばか自殺詰10手8月号3
中編松さか子安南詰27手10月号7
長編千々岩倫太郎ばか詰53手1月号15

私は解いていない作品も多いので投票しませんでしたが、選ぶとしたら短編には12月号4の神無六郎氏作キルケばか自殺ステイルメイト12手、長編には6月号4の神無太郎氏+神無八級氏作キルケばか自殺詰72手「ポエニクス」ですね。特に長編は「ポエニクス」で決まりと思っていたのですが、正解者2名というのが悪かったのでしょうか。難解な作品は嫌われる傾向があるように思います。看寿賞だとむしろ逆ですけど、どうしてでしょうね。私の作品が「ポエニクス」の得点を上回ってしまったのもそのせいでしょう。

そして、千々岩倫太郎氏の作品が受賞となったわけですが、付加ルールのないばか詰がかなり有利のようですね。私は過去の作品をあまり知りませんが、この作品に見られる銀追いのパターンがよく使われるものであることはさすがにわかります。その銀追いが片道だけというのはいわゆる戯作だと思っていたのですが、易しいということが価値を引き上げる結果になったようですね。私の作品もキルケルールがわかっていれば易しいはずなのですが、まだまだなじみのない方が多いのでしょう。キルケにしてもステイルメイトにしても、もっと普通のものになるような努力をしていかないといけないですね。ともあれ、私の作品に票を投じて下さった方にお礼申し上げます。*2

そんな中で、私の対面ばか自殺ステイルメイトの結果稿が掲載されました。2作のうち1作でも解いて下さった方が合計で10名。どうもありがとうございました。いろいろとおほめの言葉をいただいて恐縮ですが、正直なところほめすぎと思います。

*1:その概要は全日本詰将棋連盟でご覧になれます。

*2:余談ですが、上田吉一氏の『極光II』に登場するフェアリールールはこの程度のものではありません。氏の背中はますます遠くなるばかりです。