『極光II』から見えてくるもの

田吉一氏の『極光II』について、この部分に強く賛同。

私は、この作品集は、たしかに作例集であり、これを読んだ人がどしどしこういった新しい世界を切り開いていくという、次代を切り開く作品集だと思う。

おそらく詰将棋界も、ルールの枠内で漫然と手順を紡ぎだすというこれまでの創作姿勢から、自らの想像力を自由に発現し、狙いを率直に訴えかけていくという創作のパラダイムに移っていくことが、類似作の蔓延と機械の発達という現状を見るにつけ、必然的方向に違いない。

詰将棋を使って表現することにどのような意味があるのか、一人一人が自問自答していかなければならないでしょう。昭和期の詰将棋スタイルは絵画でいう印象派のように長く愛され続けるでしょうけれども、未来の詰将棋を考えれば、上田吉一氏の切り開いた地平に足を踏み出していく方向に向かいたいものです。