『将棋ガイドブック』基本ルール 取る・成る

第9条・10条は駒の取り・成りについて。

9、取る

前述した『8の一』の行為で移動先のマス目に相手の駒が存在していた場合、相手の駒を自分の持駒として帰属させ、移動先のマス目は動かした自分の駒だけで占めることを“取る”という。

この場合取った駒は、取った相手の駒の表裏に関わらず表側の自分の持駒として帰属される。

10、成る

裏に文字があり、現在表になっている駒が『8の一』の行為でマス目上を移動する時、移動元または移動先のマス目に相手陣の三段目以内(二段目、一段目も含む)が含まれている場合のみ、移動先でその駒を自分の駒として裏返す権利がある。この駒を裏返すことを“成る”といい、成った後その駒は裏面の文字の駒の動きのみを持つ。

この場合一度成った駒はその後マス目上をどのように移動しても再び裏返して元の駒の動きに戻ることはできない。

なお成れる条件を有しながら対局者の自由選択によって駒を裏返さないことを“不成”(ナラズ)と呼び、動きは元のままである。

この場合不成で動いた駒が再び成れる条件を獲得した時には前記と同様に成る権利を有するが、成り不成は同様に自由である。

盤上の駒を動かしたとき、移動先に相手の駒があればその駒を取れます(取らないことはできません)。盤上の駒を動かしたとき、移動元もしくは移動先が相手陣三段目以内に入っていれば成れます(成らないこともできます)。盤上を移動している限り一度成った駒を表向きに戻すことはできませんが、取られた場合には元に戻ります。ご存じの通りですね。

8月11日の話題に端を発する、「駒が成るときに相手の駒に変身することができるか?」という疑問はこの部分に関係します。この文章では「自分の駒として裏返す権利がある。」という表現になっていますから、相手の駒に変身することはできないという解釈で問題なさそうです。