浅川書房から来月中旬に新刊発売

質の高い将棋本を出版している浅川書房が来月中旬に新刊を2冊刊行するそうです。

前者は『四間飛車の急所(1)進化の謎を解く』の続編。第2巻から第3巻では5七銀左急戦を扱うそうです。すでに第4巻まで書き上がっているそうで、いったい何巻まで出るのでしょうね。今から期待してしまいます。

藤井猛九段のこの序文にもこの本に書ける意気込みが表れています。とにかく買いですね。

四間飛車対5七銀左戦法における私の思考・研究、いわば私の頭の中身を公開し、わかりやすくまとめる――本書が目指したのはそれである。

定跡をただまとめるだけでなく、私の経験そのもの、血と汗と涙が染み込んだ本を書きたかった。公式戦だけでなく研究会で指した、まだあまり知られていない変化も含め、思考の裏側にまで踏み込んだ内容になっている。

もう一冊は「将棋世界」に連載された佐藤康光棋聖の自戦記を、単行本としてまとめ直したもの。といっても、ほとんど新しく作り直したそうです。

佐藤棋聖の連載は気持ちの入ったすばらしい内容でしたが、本人が言うには、ほとんど読者からの反応はなかったそうです。譜分けもしていないし、並べないとまず読めない書き方をしていました。なにより、佐藤棋聖が「自分のこだわり」で書いているため、一般読者には難しすぎたかもしれません。

そこで今回、佐藤棋聖にすべてゼロからやさしく書き直していただきました。ほとんど書き下ろしに近い内容です。

そしてカバー写真は6月18日棋聖戦第1局で佐藤棋聖が指した好手△6二角の局面だそうです。

何を選んだら喜ばれるかよくわかっているのが、浅川書房の最大の強みだと思います。