羽生のすごさ

芥川賞作家の保坂和志氏の著書『羽生 21世紀の将棋』に関する著者自身のコメント。(すみません、ネタ元を忘れました。)

というのは、将棋ジャーナリズムみたいなものは実態として存在せず、将棋ライターはみんな棋士を一種神話化することで、いわゆる提灯記事しか書いていない。

こういうことを私もずっと感じてきました。「千駄ヶ谷の論理」的なものは外から見ると実態がよくわかるのですが、内にいるとなかなか意識できない。そんなものではないかと思います。

将棋の世界にいる人で、(普通の社会で)かなりのところまで本当に行けると思えるのは羽生善治だけだ。『羽生』という本には、こういう棋士の能力を見限ったような不遜さがいきなり書いてある。

羽生善治は将棋の実力があるから人間的にすごいというわけではなく、すごいからすごいのだと。考えてみれば当たり前の話ですが、将棋界では混同されがちな話ですね。