森内俊之三冠は千日手規定改定へ本気(続)

10月3日に書いた森内俊之三冠の千日手に関する提言の話について、「ほりあてくん」さん*1からコメントをいただきました。全文引用させていただきます。

ほりあてくん 『始めまして。ほりあてくんと申します。
私もこの件については以前自分のブログで取り上げました。そこには書かなかったのですが、衝撃的な事実は 王将戦主催者が森内さんの提案があったので棋士にアンケートを採ったらしいのです。その結果が「このままでよい」だったのです。多数の棋士の問題意識の低さには唖然としました。森内さんも呆れていました。』

例えば、「タイトル戦は指したこともないし、今後指せる見込みもないから関心がない」というのであれば理解できなくはありません*2。しかし、おそらくそういうことではないのでしょう。意識の低さはこの問題に限ったことではないのだろうと感じます。将棋のプロ棋士は、対局を行うばかりでなく組織の運営に直接関わっている。これは野球選手やサッカー選手などとは決定的に異なる要素です。その分、より高い次元の自覚的行動が求められるということになるでしょう。現在の決定機関の下部組織として分科会を作り議論するという「ほりあてくん」さんの提案は、その意味で建設的なものです。

15日追記:上のコメントについてですが、全ての棋士にアンケートをとったということではないかもしれませんし、「このままでよい」とした棋士がどの程度の割合いたのかはわかりません。その点で上に書いたことは誤解を与える部分がありました。申し訳ありません。

ここで紹介したほりあてくんの考え方はほかにも良質のエントリーが多く掲載されています。将棋以外の記事も含めて、おすすめです。

最後に、森内俊之竜王の提言に関して、NHK将棋講座テキスト2004年9月号の池崎和記氏の文章をメモしておきます。

この方式は、王座戦を除く全タイトル戦で採用されているが、森内は昔から「千日手によって番勝負の先後が変わるのはおかしい」と主張している。つまり、ある局で何回千日手になっても、次局の先後は変えないのが公平である、という考え方だ。

現行方式だと、例えばある局で後手番だったとして、千日手になると、先手番になった指し直し局を少ない持ち時間で戦わなくてはいけない。これはルールだから文句のつけようがないが、しかし本来、先手番であるはずの次局がまた後手番になるのは不合理ではないか、というのが森内の一貫した主張なのだ。

10月15日にさらに続きを書きました。

*1:敬称の付け方がおかしくてすみません。

*2:もしもそんなことを言う棋士がいたら、そういうあきらめかたはプロとしていかがなものかとは思いますけれども。