強くなるための「高速道路」

この10年のITの進化とインターネットの普及によって将棋の世界の何がいちばん変わったか。

羽生さんは簡潔にこう言った。

「将棋が強くなるための高速道路が一気に敷かれたということだと思います。でも、その高速道路を走り切ったところで大渋滞が起きています」

その意味するところはリンク先をご覧下さい。

それなりの才能とやる気さえあればプロ一歩手前までは短時間で到達できるようになった。そこから先をどうするか。こういう問題意識があるわけですが、だからといって「高速道路」そのものは間違いない良いものですし、なくすわけにいきません。

「大渋滞」から抜け出すための手段はそれぞれが改めて努力していくしかないと思います。そこを抜ければ本物になれるわけですから、一般的な答えが得られたとしたら全てが解決できることになってしまいます。とはいえ、指針のようなものでもほしいですね。

それにしても、こういう場面での羽生善治二冠の表現力は興味深いです。昔からそういった素朴で一般的な疑問に答える機会が多かったために、自分のイメージを伝える技術に鍛えが入っていると感じます。