ボビー・フィッシャーに、アイスランドがビザ発給へ

無効な旅券を持っていたとして今年7月以降、東京入国管理局に身柄を拘束されている米国の元チェス世界王者、ボビー・フィッシャー氏(61)に対し、アイスランド政府が永住査証(ビザ)の発給を決めたことが16日、明らかになった。同国の外務省高官がロイター通信に伝えた。ただ、東京入管が出国を認めるかどうかは不明。

在日アイスランド大使館の関係者はこの日、担当者がフィッシャー氏と面会すると述べた。

フィッシャー氏にとってアイスランドは、1972年のチェス世界選手権でボリス・スパスキー氏(旧ソ連)と歴史に残る名勝負を繰り広げたゆかりの地。米国と旧ソ連が対立していた時代の試合は「チェス上の冷戦」と呼ばれ、フィッシャー氏は旧ソ連が30年間保持していた世界王座を勝ち取った。

フィッシャーは現在入国管理局に身柄を拘束されている状況のため、いくら書類が整っても、日本政府が出国を認めなければアイスランドに入国ことはできません。とはいえ、ボビー・フィッシャーにとってゆかりのあるアイスランドが受け入れを表明したことは、解決に一歩前進と言えます。最終的なシナリオが見えてきたと言って良いように思います。