ボビー・フィッシャーの足跡

そのフィッシャーのチェスを、元世界チャンピオンのカスパロフが振り返る英語の書籍が発売されました。おそらくは羽生善治二冠も読んでいるのでしょうね。

この本について若島正氏は次のようなコメントをしています。

カスパロフに、そしてチェスというものに、激しく嫉妬する書物である。すべての将棋関係者は、この書物に匹敵するようなものを将棋がこれまでに生み出したかどうか、真剣に考える必要があるだろう。将棋は日本文化ですとお題目のように唱えるだけでは、文化でもなんでもない。これだけの書物を残せるかどうか、それが文化というものではないか。目下のところ、彼我の差はあまりにも大きい。

たしかに、将棋界でこれに匹敵するものは、現在に至るも存在していないと思います。『升田幸三全局集』から、そのような方向に発展するのではないかと期待したこともあったのですが、今のままでは無理だと思います。講談社はもっと良いものを作れるはずと期待しています。

それはともかく、フィッシャーについては伝記を日本語訳する企画も進んでいるようで、そちらも楽しみです。