「位の高い方の駒で取る」という誤解

詰将棋の最後の2手で「取っても逃げても詰み」というような、玉方の応手が限定されない場合がしばしばあります。(というよりも、そうでないことの方が少ないですね。)

このような場合は、どの手を解答しても正解となります。しかし、どれか特定のものを解答しなければならないと誤解している方もいるようです。これは大山康晴十五世名人の詰将棋本に書かれたルールが原因になっているのかもしれません。

私が確認したところでは、『即戦詰将棋100』に次のような記述がありました。

  • 玉方最後どの駒で取っても詰みのときは、位の高い方の駒で取ること。(玉飛角金銀桂香歩の順)

これは全く認められていないルールで、どの駒で取っても(同手数で駒を余さずに)詰みならどれを解答しても正解です。昨年発売された『上達詰将棋100』にはこのような記述は存在しないので、出版社の側で削除したということだと思われます。