16歳4ヶ月で棋戦優勝

阿含(あごん)・桐山杯第12期全日本早碁オープン戦(日本棋院主催)の決勝が8日、京都市で打たれ、プロ4年目の井山裕太四段(16)が小林覚九段(46)に黒番6目半勝ちして初優勝した。16歳4カ月での栄冠は、日本の囲碁タイトル戦の最年少優勝。趙治勲五段(当時)が73年の新鋭トーナメントで記録した17歳0カ月を32年ぶりに塗り替えた。優勝によって、段位は一気に三段跳びの七段となる。優勝賞金は1000万円。

井山裕太四段は井山裕太四段に聞く 高校進学捨て棋士に専念・悔いないようにやりたいで紹介されているとおり、囲碁界の次世代を担う棋士として将来を嘱望されています。先月の新人王戦決勝では敗れましたが、今回は優勝を果たしました。将棋界で言うと、1988年度に羽生善治四冠がNHK杯戦で優勝したときのような感じでしょうか。

将棋でのタイトル獲得最年少記録は1990年の屋敷伸之五段(当時)による18歳6ヶ月です。囲碁の方が将棋よりも早くプロ入りできる傾向があるため、最年少記録も囲碁の方が若くなるのでしょうね。井山四段のプロ入りは12歳10ヶ月のときで、これは囲碁界で2番目の記録だそうです。

この優勝で井山四段は一気に七段へ昇段するそうです。将棋では段を飛ばすことはありませんが、囲碁ではあると走りませんでした。下記のPDFファイルが囲碁の昇段制度のようですね。

これによると、次のいずれかの条件によって昇段が決まるそうです。

  1. タイトル獲得・挑戦・リーグ入りによる昇段。
  2. 象棋戦の通算勝ち数による昇段。
  3. 初段から六段については、同じ段の中での年間獲得賞金ランキング上位者の昇段。(ただし、前の条件による昇段者は除く)

明記されてはいませんが、このうち1つ目の条件については飛び段(という言葉があるのか知りませんが)が認められるようです。将棋界だと、例えば七段以下の棋士が九段昇段の資格を得ても、別の条件で八段に昇段するまではその資格を生かすことができません。(八段になれば、その次の年度に九段に昇段できます。)屋敷伸之九段が1997年に棋聖3期により九段の資格を得ましたが、そのような事情で2004年まで九段と名乗れませんでした。